忠清南道論山市の広石小学校(写真=キム・ウンヨル記者)
忠清南道論山市の広石小学校(写真=キム・ウンヨル記者)
廃校の危機に瀕していた田舎のある小学校が児童数増加に転じている。30人余りだった生徒数がいつの間にか60人を超え、入学の問い合わせも相次いでいる。チュンチョンナムド(忠清南道)ノンサン(論山)市にあるクァンソク(広石)小学校だ。

忠清南道論山市広石面シンダンリ(新堂里)。ビニールハウスがある田園地帯を通ると、光石小学校が見えてきた。学校前の道路は閑散としているが、学校の中に入ると生徒たちの笑い声が聞こえた。光石小学校のキム・ジュヒョン校長は「わずか2年前までは学校の存続が危ぶまれていたが、今では入学を待つ児童が増えて安心した」と語った。

広石小学校はわずか2年から3年前までは新入生が1人しかおらず、廃校の危機に瀕していた。 離農現象で広石面の住民数が減ったことで起きた現象だ。2023年には全校生の数が31人に過ぎず、2022年と2023年には新入生がそれぞれ1人にとどまっていた。

光石小学校の生徒数の増加は2024年から始まった。2020年から2024年の新入生は32人に増え、全校生も53人に増えた。今年の全校生徒数は63人だ。来年も新入生14人が入学する予定だ。

広石小学校の需要が増えたのは、「いつも春プログラム」のおかげだ。いつも春プログラムとは、保育教室と放課後教育を統合した学校運営システムだ。広石小学校は早朝から夜まで学校を運営しており、保護者の満足度が高い。朝は午前8時から8時40分まで、夜の授業は正規授業を終えた午後3時50分から午後8時まで行われる。これは共働きの保護者などの出勤・退勤時間を考慮したもので、学年に関係なく生徒の誰もが利用することができる。

光石小学校は授業に参加するすべての生徒に給食を提供することでも有名な学校だ。朝食と昼食は学校で、夕食は村の住民自治会が提供している。キム校長は「私が赴任して来た時、朝食を抜いてくる生徒が多いことを知った」と語り、生徒たちに朝食を提供することになった背景を説明した。

広石小学校では読書論述と体育活動、バイオリンやピアノなどの芸術教育プログラムを行っている。ネイティブスピーカーの教師が教える英語教育も父兄らから人気を集めている。授業が終わる午後8時以降は、スクールバスで生徒たちに下校サービスを提供している。

広石小学校への入学の需要が増えた背景には、広石面の住民自治会との協力も大きい。実際に光石小学校が講師の採用と予算支援を担当し、村の住民らは講師の管理や授業の場所の提供などを受け持っている。夜の授業も住民自治会の事務所がある住民自治センターで行われる。

住民自治会で5年間活動してきたキム・グ前住民自治会会長は「光石小学校では以前は学校で教育と児童らの世話の問題を解決しようとしてきたが、村の学校だけでは体系的な教育を行うことに限界があった」と語り、協力の背景を説明した。

村中が子供たちを一緒に育てるこの方式に、生徒や保護者からの満足度は高い。6年生のユ・ダヘさんは「友達や弟たちと一緒にいることができて、一日中学校にいても飽きない」と話した。

学校と村が力を合わせて教育や生活面のサポートを提供した結果、広石小学校は昨年教育部が主催した「2024年農漁村学校公募展」と「2024年いつも春の学校優秀事例」に選ばれた。

しかし、低出生率と学齢人口の減少傾向は、今後も光石小学校が解決しなければならない宿題だ。広石面の人口は10年前には4867人だったが、2024年には3882人、今年8月時点では3755人に減少している。キム校長は「地方の消滅を防ぎ、田舎の学校を活性化するための施策が必要だ」と語った。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107