進むセメント業界でのAI導入、労災事故削減などに一役＝韓国

韓一セメントは、キョンギド（京畿道）プチョン（富川）市のレミコン工場にAI（人工知能）を使ったスマート工場を建設している。サンムピョ産業も2024年、インチョン（仁川）のレミコン工場にAI基盤の安全管理システムを導入した。

セメント業界ではこれまで、コンベヤーの清掃作業中に挟まれる、設備設置中に滑落する、交通事故が起きるなどといった作業中の事故が頻発していた。韓国政府の雇用労働部によると、セメント業界では2022年の1年間で200人の労災認定被害者が発生したという。

サムピョ産業が導入したシステムでは、リアルタイムでの映像分析技術とLLM（大規模言語モデル）を合わせ、現場の危険要素を自動分析。作業者が安全規則を順守しているかをモニタリングする。韓一セメントでは、作業者が不要な行動をした場合にアラームが鳴る仕組みだ。また同社はは今後、セメント工場にもAI技術を導入する方針を持つ。

セメント業界の関係者は「AIを使った自動製造システムを導入すれば、工場の自動化率と制御の正確度を約95％まで高められるだろう。エネルギー効率を最大化し、生産過程での炭素排出量を減らすなど環境への配慮と生産性を同時に強化できる」と話している。