ソウル南部地方裁判所は14日午前、殺人未遂、現存電車放火致傷、鉄道安全法違反の容疑で拘束起訴されたウォン某被告(67)に対し懲役12年を宣告した。また、保護観察3年と引火物質の所持禁止などを遵守するよう命令した。
裁判部は、「被告人は離婚訴訟の結果に対する個人的な不満を理由に487人が乗った電車にガソリンをまいて火を付け、乗客らを負傷させたり恐怖におびえさせた」とし、「被告人の犯行により公共交通の安全に対する一般的な信頼が大きく低下し、不安がしばらく消えなかった」と判示した。
また、「ごく一部を除き被害回復も行われておらず、厳重な処罰が避けられない」としながらも、「確定的な殺害の故意を持って犯行に及んだわけではなく、同種の前科や最近に刑事処罰を受けていない点は被告人に有利な情状」と説明した。
ウォン被告はことし5月31日午前8時42分ごろ、ソウル地下鉄5号線のヨイナル駅からマポ(麻浦)駅方向に運行していた電車内でガソリンをまいた後、火を付けた。これにより6人が負傷し、ウォン被告を含む23人が煙を吸って病院に運ばれ、120人が現場で応急処置を受けた。この火災により電車1両が焼失するなど、計3億3000万ウォン(約3500万円)の財産被害も発生した。
ウォン被告は捜査の過程で離婚訴訟の結果に対する不満を持ち犯行に及んだと陳述した。ウォン被告は犯行前にソウル地下鉄1、2、4号線に乗り換えながら犯行のチャンスと場所を物色し、事前にガソリンを準備するなど綿密に犯行を計画したと把握された。裁判の過程でウォン被告側は、「個人的な理由で犯行に及び多くの被害者が発生した。言い訳のしようがない」とし、「被告人が離婚判決により大きな精神的苦痛を感じ犯行に至った点、高齢である点を考慮し寛大な判決を下してほしい」と主張した。
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