「レトルトご飯・外食」は抜け落ちたコメ生産…不正確な統計で血税がだだ漏れに=韓国
「レトルトご飯・外食」は抜け落ちたコメ生産…不正確な統計で血税がだだ漏れに=韓国
韓国政府は毎年、コメの収穫期対策を発表しているが、その実効性をめぐる議論が高まっている。収穫期対策の根拠となるコメの予想消費量と生産量の統計自体が現実と乖離(かいり)しているとの指摘が相次いでいるためだ。不正確な予測や統計に基づく不要な市場隔離や割引支援などが続き、財政の無駄遣いが拡大しているという批判が出ている。

 13日、農林畜産食品部は来年のコメ予想消費量を、ことしより12万トン減の340万9千トンと推定した。コメの生産量は昨年とほぼ同水準だが、消費量が減少することで、過剰生産規模は昨年(5万6千トン)より拡大した16万5千トンに達すると見込まれている。これを受け、政府はコメ価格の暴落などを懸念し、ことしも収穫期に事前的にコメ10万トンを市場から隔離する方針だ。

 問題は、そもそも消費量が正確に把握されていない点である。国家データ庁によると、昨年の1人当たりコメ消費量は55.8kgで、1990年(119.6kg)の半分以下に減少した。しかしこの統計は、家庭で直接炊いて食べるコメのみを集計したものである。1人世帯の増加などで大幅に拡大したレトルトご飯・給食・外食・加工食品でのコメ消費は含まれていない。

 レトルトご飯市場だけでも、年間コメ消費量は約14万トンに達する。2023年、国内のコメ加工食品製造業者のコメ購入量だけで64万トンにのぼり、餅・麺・マッコリなどのコメ加工食品生産に使用された量である。また、全国の給食施設や外食産業で使用されるコメの量も年間数十万トン規模に上るが、公式統計には反映されておらず、実際のコメ消費が過少に推計されている可能性があるという指摘が出ている。

 生産量調査に対する問題提起も続いている。標本の代表性に限界があるという指摘だ。コメ消費量調査の対象は全国1400世帯で、全世帯の0.01%に過ぎない。特に調査対象世帯のうち36%が農家であり、全国人口に占める農家の割合(4.3%)を考慮すると、現実との乖離が大きいとの批判が出ている。

 予想生産量も正確ではない。農村経済研究院によると、現在の予想生産量は標本調査のみに依存しており、栽培品種なども反映されていないため、精度が低い。実際、昨年もコメの予想生産量に基づき12万8千トンの過剰生産が見込まれていたが、実際にはそれより少ない5万6千トンと事後に確定した。

 このような誤った推計は、莫大な財政負担および国民負担に直結する構造となっている。政府は2005年以降、12回にわたって余剰コメを市場隔離(買い上げ)してきた。昨年、政府が余剰コメを買い取り・管理し、再販後に不足した差額を補うために投入した財政は2兆343億ウォンに達した。前年(1兆7700億ウォン)より14.9%増加した数値で、2005年以降過去最高となった。

 政府が買い入れたコメを保管・管理するために使用した費用も、昨年は5049億ウォンで、前年(3929億ウォン)より28.5%増加した。これも2005年以降で最高値だ。ことしも5月末時点で政府の穀物倉庫の在庫量は124万4千トンに達し、管理費用は昨年よりさらに増加する見通しである。

 専門家たちも、コメの需給問題を解決するためには統計の改革が急務だと口をそろえる。忠南大学農業経済学科のキム・ソンフン教授は「具体的な検討は必要だが、時代の変化を反映し正確性を高めるための方策が必要だ」と述べた。

 国会でも統計改善の要求が出ている。チョン・イルヨン共に民主党議員は「レトルトご飯、酒、餅、給食など、実際に国民が消費するコメがすべて抜け落ちた統計を『1人当たりコメ消費量』として発表すれば、国民の混乱はもちろん、農業の需給や予算政策がゆがめられるおそれがある」と指摘した。

 一方、政府関係者は「予想消費量を発表する際には加工用コメ需要も反映している」とし、当面は統計改善の予定などには線を引いた。
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