公認会計士合格者、就職難でデモへ…選抜拡大が裏目に=韓国
公認会計士合格者、就職難でデモへ…選抜拡大が裏目に=韓国
韓国で公認会計士(CPA)試験に合格したにもかかわらず、実務研修先を確保できない「未指定会計士」(研修先未定の合格者)が、金融当局の過度な合格者選抜政策を批判し、街頭デモを実施する方針を固めた。今回のデモには、100人を超える研修会計士だけでなく、現職会計士も多数参加する見込みだ。

 13日、韓国の業界団体によると、公認会計士選抜人員正常化非常対策委員会(非対委)は14日午前8時に、政府ソウル庁舎前に集まる予定だ。この集会は、同日午後3時に行われる、イ・チャンジン(李粲珍)金融監督院長と会計法人代表らによる懇談会に合わせて実施される。

 非対委は声明文で、「私企業のうち6%しか研修会計士を求めていない状況だ」とした上で、「すでに何度も、会計法人が1000人以上の選抜人員をすべて受け入れ、質の高い実務教育を提供するのは不可能だと訴えてきた」と批判した。

 さらに、「経験豊富な会計士が私企業に転職するだろうという根拠のない期待だけで1200人を選抜したのは、近視眼的な政策に他ならない」と指摘した。

 現在、公認会計士試験に合格したにもかかわらず就職先がない未指定会計士は、累積で約600人に上ると推算される。非対委は、金融当局が会計法人の採用の受け入れ能力を考慮せずに選抜規模を拡大したことが問題の根本原因だと指摘。ことしの会計士合格者数は1200人に達したが、四大会計法人(サミル、サムジョン、アンジン、ハニョン)の採用規模は合計で約800人にとどまっている。

 韓国公認会計士協会によると、公認会計士試験合格者は、合格後に特別実務修習(代替教育)課程を修了する必要がある。特に外部監査業務を行うためには、研修機関で1年以上の実務研修が義務付けられている。

 しかし、外部監査実務研修を修了できなかった合格者は、2022年の165人から2023年には849人に急増した。これは、合格者の多くが監査経験をまったく積めないまま「登録だけした会計士」として留まっていることを意味する。

 外部監査実務研修を修了しなくても税務代理など基本的な業務は行えるが、事実上会計士業務の大半を占める外部監査業務を行えないため、業務範囲が大きく制限される可能性がある。これに対し、合格者数拡大政策が結果的に新規会計士らに研修機会の不足と専門性低下の負担を転嫁しているとの指摘が出ている。

 国会政務委員会所属のキム・ナムグン(金南槿)議員は、「新規会計士が外部監査の研修機会を得られない状況が続けば、会計士制度の機能自体が低下する恐れがある」とした上で、「選抜人員は拡大されたが研修機関の受け入れ能力が追いついていないとみられるため、金融当局は人員縮小などの対策を講じるべきだ」と強調した。

 非対委は、今回の集会を皮切りに、2026年度公認会計士試験の日程が発表される11月に改めて、政府ソウル庁舎前で追加のデモを実施する予定だ。
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