漢陽大学応用化学科のチョ・ジェピル教授チームは10日、携帯用電子機器に使用するリチウム二次電池の充電能力の限界を克服する新たな陰極材料「3次元多気孔シリコン粉末」を開発したと明らかにした。
リチウム二次電池は、同一の大きさで最大のエネルギー効果がある最も発展した電池形態と評価されているが、効率の低い黒鉛を陰極材料に使用しているため、ノートパソコンの場合はバッテリーが2時間程しかもたないなど、時間的な制約が短所となっていた。このため、黒鉛の代わりにシリコンを用い充電能力を極大化する研究が行われてきたが、シリコンはリチウムとの反応で容積が大きく変わるため破損しやすく、問題となっていた。
チョ教授チームは、シリコンにシリカ(二酸化ケイ素)を加えた後、フッ化水素(HF)酸溶液でシリカだけを溶かすことで、大きさ200ナノメートル(ナノは10億分の1)、厚さ40ナノメートルの気孔をもつ「3次元多気孔シリコン粉末」を作り出した。この粉末が、シリコンとリチウムの反応時の膨張を緩和し、シリコンの破損を防ぐ役割をする。
チョ教授は、従来の電池より8倍以上長持ちし、効率も90%以上高い電池を4~5年以内に商用化できるだろうと話している。
この研究結果は、化学分野の国際学術誌「アンゲヴァンテ・ケミー」電子版に先月27日付で「注目すべき論文」として紹介された。
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