韓国言論振興財団が先月17日に公開したメディア調査「生成AIの拡散に伴うAI不安の経験および認識」によると、韓国の20〜60代、1000人を対象に実施したアンケートの結果、「AI技術の発展スピードがあまりにも速く、自身がついていけないという不安を感じたことがあるか」を4段階で尋ねたところ、回答者の68.0%が「よくある」(14.1%)、「時々ある」(53.9%)と答えた。
また、生成AIの活用に関して、生産的な活動に関連する特定の3分野を提示し、「他の人たちはAI技術や機能を素早く習得して良い成果を上げているのに、自身は遅れているという不安を感じたことがあるか」を4段階で尋ねた結果、3つの項目すべてでそのような経験があると答えた人が半数を超えることが明らかになった。
最も高い割合を示した分野は「業務に必要な知識・情報の習得」で、回答者の67.2%が「時々ある」(55.1%)、「よくある」(12.1%)と答えた。
これについて、韓国言論振興財団ヤン・ジョンエ研究員は「職場でAI導入のスピードが急速に進んでいる状況の中で、自身はうまくついていけていないという不安を多くの人が抱えていることを示している」と説明した。
なかでも「金融・投資分野で生成AIの活用が他人より遅れていると感じる不安」については、全体の59.1%が「時々ある」(44.2%)または「よくある」(14.9%)と答えた。
年代別では、30代が64.5%、40代が60.4%、50代が62.2%であり、20代は52.5%、60代は54.7%となった。
ヤン研究員は、この項目で30代が最も高い割合を示した点について「社会・経済活動の初期段階にある30代は投資や資産運用への関心が高く、AIを活用しようとする需要も大きいためと解釈できる。一方、20代はまだ資産形成の段階に至っていない人が多く、金融分野でのAI活用自体が比較的少ないため、不安も低く表れたと推測される」と分析した。
さらに「技術適応の過程で不安を経験している人は多数にのぼり、特に業務・投資・学習などの実質的な分野で他人より遅れているという心理的負担は、中高年層や実際にAIを活用している層でより大きいことが確認された」とし、「これはAIを積極的に活用するほど利便性を感じる一方で、その変化のスピードによるプレッシャーも高まるという事実を示している」と付け加えた。
また「生成AIは、われわれの社会において、効用と懸念の両方を同時に経験させる二面的な性質を持つ技術として定着しつつあるように見える」と述べ、「AIの利便性を最大化しつつも社会構成員の不安を和らげるためには、AI回答の信頼性向上、個人情報保護の強化、労働市場の変化への対応、世代・集団間の格差緩和のための技術的・政策的・制度的な多層的努力が必要だ」との見解を示した。
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