1日、放送局KBSを通じて公開された映像には、20代の韓国人男性A氏が違法薬物を投与する様子が収められていた。恐怖に震えるA氏は、容器に入ったものを口に含み、白い煙を吸い込んでは吐き出すことを繰り返した。A氏が使用していた容器は、覚醒剤(ヒロポン)を煙として吸入する装置「フリーベース」だった。
映像には誰かがA氏に対し「吸え、もっと強く!もっと吸え!」 「殺されたくなかったら飲め、早く一気に!もっと強く!強く!」といった高圧的な声で命令する音声も入っていた。ためらっていたA氏は、結局吸引を続けざるを得なかった。
A氏は8月、カンポット州のボコール山岳地帯にある犯罪拠点で遺体で発見された。調べによると、A氏は7月に「現地に行けば銀行口座を高値で売れる」という韓国ブローカーの紹介を受けカンボジアに渡航したが、拉致・監禁されたとみられている。組織が薬物を強制的に投与したのは、逃走をさらに困難にする狙いがあったものと推定される。
A氏だけでなく、最近カンボジアの犯罪拠点内で韓国人の被害が相次いでいる。
プノンペン警察によると、21日午後8時30分ごろ、50代の韓国人男性B氏がボンケンコン地区のカフェに立ち寄った後、車に戻る途中で暴漢らに拉致された。
B氏が車に強制的に乗せられる場面を目撃したカフェの警備員がすぐに警察へ通報し、警察はB氏の車を運転して逃走しようとした中国人容疑者を直ちに逮捕した。
警察は翌日午後5時、プノンペンのホテルで中国人3人とカンボジア人運転手(35歳)をさらに検挙した。先に逮捕された中国人を含め、中国人容疑者は30代2人、40代2人の計4人となった。
警察は、K54型半自動拳銃1丁、実弾9発、鉄パイプ1本、無線機3台、拳銃ホルスター、麻薬錠剤112錠、パスポート2冊、麻薬吸引器具などを押収した。
カンボジアにおける韓国人を標的とした拉致・監禁被害は、2023年には17件だったが、2024年8月時点で330件に急増している。
一方、韓国政府は最近、カンボジアの詐欺拠点内で自国民の就業詐欺や監禁被害が相次いでいることを受け、16日午後5時付でカンボジアの一部地域に対し旅行警報2段階(旅行自粛)および特別旅行注意報を発令したと発表した。
プノンペンには旅行警報2段階(旅行自粛)、シアヌークビル・ボコール山・バベットなどには2.5段階に当たる特別旅行注意報がそれぞれ発令された。
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