システム障害によりモバイル機器による入館ができないソウルの政府庁舎=29日、ソウル(聯合ニュース)
システム障害によりモバイル機器による入館ができないソウルの政府庁舎=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は29日、中部・大田にある国家情報資源管理院で26日に発生した火災により政府の電算システムがまひしたことを受け、国のサイバーセキュリティに深刻な影響を及ぼす可能性のある状況を予測して注意を促す「サイバー危機警報」を「関心」から「注意」に1段階引き上げると発表した。

 同警報は脅威が低い順に「正常」「関心」「注意」「警戒」「深刻」の計5段階で構成されている。

 システム障害に伴う混乱状況を悪用したハッキングの監視を強化する必要があるとの判断によるという。

 また来月末に韓国・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に国内外のサイバー脅威に対するモニタリングや予防・対応体制強化の必要性が認められた。

 国情院は各行政機関にサイバー危機対応実務マニュアルに従ってサイバー危機警報「注意」に対応した措置を取るよう指示した。

 各機関はサイバー攻撃、電算網まひなど特別な兆候が確認された場合、国家サイバー安保センター(国家サイバー危機管理団)や国家安保室(国家危機管理センター)に直ちに通知しなければならない。また、所属・傘下機関に「注意」警報を伝え、マニュアルに従って対策を取らなければならない。

 火災により政府の647のシステムが停止したことで混乱に乗じてサイバー攻撃が多発する懸念が取り沙汰されている。

 政府は直接的な被害を受けた96の行政情報システムを大邱センターに移転・復旧するのに約4週間かかることが予想されると発表しており、サイバーセキュリティが脆弱な状況が約1カ月続くとみられる。


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