ソウル市のオ・セフン市長は17日、ヨンドゥンポ(永登浦)区ヨイド(汝矣島)の船着き場前で開かれた漢江バスの就航式で「断言するが、ソウル市民の生活の質の向上という観点から、漢江の歴史は漢江バスの前と後で明確に分かれることになるだろう」と述べた。
しかし、この日予定されていた試乗式は、突然の豪雨を理由にすべて中止となった。市側は「漢江の視界が良くないため、試乗式を中止した」と説明した。
これに先立ち、市は豪雨により八堂ダムの放流量が1秒あたり3000トンを超える場合や天候状況などにより、年間約20日程度は漢江バスの運航を中断する可能性があると発表していた。しかし、今回のような突発的な豪雨などは想定されておらず、実際に運航が中止される日は20日を超えると予想される。
また、当初は漢江バスがマゴク(麻谷)からチャムシル」(蚕室)まで75分で到着するとされていたが、実際には2時間を超えると見られ、通勤用の公共交通としては限界があるとの声も上がっている。地下鉄9号線の急行であれば、ほぼ同じ距離を約40分で移動できるが、2時間以上かかるのであれば、通勤には不向きだというのだ。
実際に利用する予定の会社員たちの反応も懐疑的だ。インチョン(仁川)西区に住む女性AさんはSBSの取材に「通勤時には地下鉄がどれだけ混んでいようと、地下鉄やバスを利用する方がはるかに効率的だと思う」と述べ、「むしろ目的を観光用に変えた方が良いのではないか」と話した。
ソウル・クァナク(冠岳)区に住む男性Bさんも「退勤時には早く家に帰ることが会社員としての最優先事項の一つだが、わざわざ(漢江バスを)使うことはないと思う」との考えを示した。
これに対して、共に民主党のコ・ミンジョン議員は自身のフェイスブックで「通勤用に漢江バスを作ると言っていなかったか」とし、「2時間あれば済州島にも行ける」と皮肉を込めて批判した。
市側は「公共交通を強調したのは事実だが、通勤だけを強調したわけではない」という立場を示している。通勤時間帯以外にも運行する一般のバスや地下鉄と同様に、漢江バスも明確に公共交通であるというのだ。
ただし、最近ではK-POPに続くK-カルチャーやK-コンテンツが人気を集め、韓国を訪れる外国人観光客が増えていることから、ソウルを楽しむ新たな観光コースとしての期待もある。
懸念と期待が交錯する中、ソウル市が意欲的に準備した漢江バスは18日から運航を開始する。料金は片道3000ウォンで、5000ウォンを追加した「気候同行カード」を使えば回数制限なく無制限に乗船可能で、他の公共交通との乗り換え割引も受けられる。麻谷〜望遠〜汝矣島〜玉水〜狎鴎亭〜トゥクソム〜蚕室(28.9km)など、7つの船着き場を往復する予定だ。
市はまず10月9日まで、平日・週末ともに午前11時から午後9時37分まで、1時間〜1時間30分間隔で1日14回運航し、10月10日からは平日午前7時、週末午前9時30分に始発し、午後10時30分まで、通勤時間帯の急行路線(15分間隔)を含め、往復30回(平日基準)へと増便する予定だ。
麻谷〜蚕室区間の一般路線の所要時間は127分、急行路線では82分と予想されている。
あわせて、漢江バスの船着き場にはコンビニやカフェなどが整備されており、船内にもカフェテリアが設置され、コーヒーやベーグルなどの軽食が楽しめるようになっている。
また、自転車ラック(20台分)や車椅子席(4席)も設けられており、各座席には救命胴衣も備え付けられている。
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