天安門広場で行われた軍事パレードでは、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)とロシアのプーチン大統領が習近平国家主席の隣に立ち天安門楼上から観閲。1956年以来、約66年ぶりに3カ国の首脳が一堂に会し、米欧への対抗軸を示した。
中ロが北朝鮮を核保有国と事実上認めたとの見方も出ており、認めたのであれば、反米の核保有国という共通項を持つことになる。
4日に開かれた中朝首脳会談の結果も北朝鮮核問題の懸念を高めた。両国は2018~19年に中国で4回、北朝鮮で1回首脳会談を開催し、その度に非核化に言及したが、今回は触れなかった。
中国政府は北朝鮮の核保有を認めないとする立場を示してきたが、これが変わった可能性がある。
先月28日に金氏の訪中が発表された際には、韓米からの対話の提案を無視してきた金氏が多国間外交の場に出るとあり、懸念だけではなく期待も混じっていた。
しかし中朝首脳会談で中国が北朝鮮の核保有を容認したとも受け止められる結果がもたらされたことで、非核化交渉の見通しがさらに暗くなった。
ロシアに続き中国まで「後ろ盾」として確保した北朝鮮が、米国との交渉に応じる理由がさらに減り、仮に対話に応じても非核化ではなく核保有国として軍縮をテーマにする可能性が高まった。
韓国南東部・慶州で10月末に始まるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は韓米中の首脳が一堂に会すると予想されることから、重要な外交戦の舞台になると韓国外交部などはみている。
習氏とトランプ米大統領はいずれも出席が確定していないものの、出席するとみる向きが強い。
APEC首脳会議に合わせて韓中首脳会談が開かれれば、朝鮮半島の平和のための積極的な役割を習氏に要請しなければならない。
習氏は金氏との会談で「朝鮮半島問題において中国は一貫して客観的かつ公正な立場を堅持してきた」とし「朝鮮半島の平和と安定を守るために努力する」と話した。非核化に言及せず、北朝鮮の肩を持ったものの、中国が朝鮮半島の平和のための自国の役割を認識していることを示したとも受け止められる。
APEC首脳会議に合わせて米中首脳会議が開かれれば、貿易問題などが主な議題になる可能性が高いものの、韓国での開催であるだけに、北朝鮮問題にも踏み込む可能性がある。
米中首脳の北朝鮮に向けたメッセージの内容によっては、北朝鮮を対話の場に呼ぶための動力になる可能性もある。
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