「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」に登場する駱山公園(韓国観光公社提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」に登場する駱山公園(韓国観光公社提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】世界的ヒットとなった米動画配信大手ネットフリックスの人気アニメ映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」には、オリンピック主競技場や江南の超大型LEDビジョン、北村韓屋村、駱山公園の城郭などソウル各地が主要シーンに登場し、海外視聴者の関心が高まっている。ソウル市民にとってはありふれている銭湯やアメリカンドッグ店、韓国版プリクラ「人生4カット」、即席麺、キンパ(のり巻き)なども、注目を集める。

◇訪韓外国人客2千万人達成か

 訪韓外国人客数は回復を続け、新型コロナウイルス禍以前の水準を上回った。韓国観光公社によると今年7月の訪韓外国人客数は前年同月比23.1%増の173万3199人で、コロナ禍前だった2019年7月の119.7%の水準となった。今年1~7月では前年同期比15.9%増の1056万人と、19年同期の106.8%に回復した。

 訪韓客の増加は「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」のような韓流コンテンツをはじめ、韓国コスメや韓国グルメなどがけん引したと専門家は分析している。

 韓国政府は今年の訪韓外国人客の目標を1850万人と設定した。7月までに1000万人を超えており、韓流コンテンツ人気も受けて余裕で目標を達成できると見込む。

 韓国経済研究院は6月の報告書で、今年の外国人客数が過去最高の2009万人に上ると予想した。予想される観光収入は202億5000万ドル(約3兆円)で、これは昨年の名目国内消費の2.5%に相当する。

 政府は新規需要の創出や収益性向上を目指し、日本や中国の主要市場向けの細分化した戦略や、グローバルマーケティング、韓流コンテンツの人気活用などを進めている。韓流コンテンツと連携した食品・美容関連予算も編成した。食品分野の輸出支援の強化や、美容分野での原材料の国産化支援、米国での共同物流基地設置も計画する。

 ◇観光客の支出拡大が課題

 ただ、韓国の旅行収支は依然として赤字だ。昨年の赤字額は約100億3800万ドルに上る。海外に出かける韓国人の数が訪韓外国人客を上回るためだが、訪韓客の支出が減少していることも一因だ。

 昨年の訪韓客1人当たりの観光収入は1005ドルで、前年比26.4%減少した。19年の1185ドルを下回る水準だ。訪韓客数の伸びに反して収益の面では減少していることになる。

 外国人観光客からは「お金を使う所がない」という声も度々聞かれる。またソウルなど首都圏にだけ観光客が集中している問題もある。

 このため観光客数にだけこだわるのではなく、価値を創造する戦略に転換すべきと指摘される。観光業界の関係者は「政府が分かりやすい量的増加ばかり気にするのではなく、多様な観光客の需要を反映した戦略を立てて、高付加価値観光分野の規制も撤廃してほしい」と話した。


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