「アリババ、新型AIチップを開発…中国、エヌビディア依存低減を加速」
「アリババ、新型AIチップを開発…中国、エヌビディア依存低減を加速」
中国の大手テック企業アリババが、新たな自社製人工知能(AI)チップを開発し、エヌビディアへの依存度を下げ、自国の半導体自立を加速させていると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話を引用して29日(現地時間)に報じた。

 報道によると、アリババが開発した新チップは従来の自社チップよりも汎用性が高く、より幅広いAI推論作業に活用できる。

 今回のチップは中国国内の半導体企業が製造を担当した。これまでアリババのAIチップは世界最大のファウンドリー(半導体受託生産)企業である台湾TSMCで製造されてきたのとは対照的だ。アリババは2019年に傘下の半導体部門・平頭哥が設計した推論用チップ「寒光800」をTSMCで製造したが、その後米国が最先端工程を用いた対中チップ生産を全面的に禁止したため、TSMCなど海外先端ファウンドリーを通じた製造は不可能となった。ただし、中国の半導体工場は旧式の海外装置や国産装置を使用しており、生産能力を大幅に拡大するのは難しいとWSJは限界を指摘した。

 アリババはエヌビディアの主要顧客の一つだったが、米政府による対中規制の強化で最新チップの確保が困難となり、自社開発に踏み切った。クラウドとAIサービスは同社の二大成長エンジンであり、AI半導体の安定供給は不可欠だ。

 これまで中国企業はエヌビディアのH20チップを活用してきたが、これは米国内で使用されるブラックウェルやH100チップより性能が劣る。さらに、トランプ政権が今年4月に国家安全保障を理由にH20の対中輸出を制限し、供給不安が深刻化した。

 先月、米国はH20輸出を再び許可したが、中国政府はアリババを含む主要企業に対し、安全保障上の懸念を理由に購入を控えるよう指示した。このためアリババや地場の半導体企業はH20を代替する自社チップの開発に取り組んでいる。

 中国政府は今年1月、84億ドル規模のAI投資ファンドを設立するなど、AI技術の自立体制構築を急いでいる。

 先頭を走るのはファーウェイだ。ファーウェイは今年初め、「Ascend」AIチップ384個を組み合わせたコンピューティングシステムを公開した。消費電力は大きいが、一部の性能指標ではエヌビディアの最新「ブラックウェル」チップ72個を搭載したシステムを上回ると評価された。

 ファーウェイ創業者の任正非氏は6月、共産党機関紙・人民日報とのインタビューで、チップを組み合わせれば「最先端水準に近い計算結果を得られる」と述べ、「チップ問題について心配する必要はない」と自信を示した。

 7月には上海のスタートアップ、メタXがH20代替チップを発売した。メモリ容量を拡大し一部のAI作業で性能を強化したが、消費電力はより大きいとされる。メタXは今週、このチップの量産準備に入ったと明らかにした。

 もう一つの挑戦者である北京のカンブリコン・テクノロジーは、第2四半期(4~6月)に売上2億4700万ドルを記録し、四半期業績が大きく伸びた。投資過熱への警告を受け29日に株価は6%下落したが、時価総額は依然として870億ドルを上回っている。

 ただしWSJは、中国AI半導体は依然としてAI訓練の分野で性能が劣る点が限界だと指摘した。訓練にはエヌビディアの高性能チップが不可欠である。ファーウェイのチップについても、中国のAIモデル開発企業からは、訓練時に発熱や故障が生じるとの不満が出ている。

 WSJの報道後、米国株式市場でエヌビディアとブロードコムの株価はこの日3%以上下落した。AI・半導体関連株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数も下落幅が3%を超え、指数を構成する30銘柄のうち1銘柄を除いたすべてが下落した。
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