【ソウル聯合ニュース】朝鮮半島有事を想定した定例の韓米合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」が28日、終了した。演習は今月18日に始まり、陸海空の従来領域のほか宇宙、サイバー、情報など全領域で連合・合同作戦が実施された。近年の戦争の分析を通じた現実的な脅威が演習のシナリオに反映された。

 韓米連合軍司令部はこの日、UFSについて「韓米同盟の堅固な防衛体制を再確認し、連合対応態勢をさらに強化した。いかなる挑発も抑止し、必要な時に両国を防衛できる能力を証明した」と強調した。韓国政府や民間機関などが計画と実行段階に参加し、危機管理や民間人の保護手順などを総合的に点検したとも説明した。

 在韓国連軍司令部も参加国の一部が人員を派遣し、多国的な連合作戦の相互運用性を立証した。

 演習期間中には韓国政府が戦時や災害など非常事態に備えて行う「乙支演習」もUFSと連携して行われた。合同参謀本部は「乙支演習と実際の訓練を支援し、政府レベルの国家総力戦の遂行能力を向上させた」と評価した。

 今年の参加兵力の規模は例年と同水準だが、演習期間中に計画されていた約40の野外機動訓練のうち約20の訓練は来月に実施されることになった。合同参謀本部は延期の理由として猛暑を挙げているが、北朝鮮の反発を考慮したためとみられている。

 北朝鮮は今月23日に性能を改良した2種類の地対空ミサイルの発射実験を行った。同日は李在明(イ・ジェミョン)大統領が日米歴訪に出発する日で、UFSに対する強い反発の表れと受け止められる。19日には非武装地帯(DMZ)で作業中だった北朝鮮軍の兵士30人余りが軍事境界線を越える事件もあった。

 また、北朝鮮は連日、UFSを非難した。朝鮮人民軍総参謀部は「極めて挑発的かつ侵略的な大規模実戦演習」だとする報道官談話を発表。第1副総参謀長の談話では「明白な戦争の意思の表れ」と批判した。

 在韓米軍の関係者は北朝鮮のこうした非難について「UFSは両国の相互防衛条約に基づいた定例の防衛的な訓練」だと反論している。


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