26日、手作り万年筆の製造会社ゼナイルのキム・ヨンヒョン代表は、複数のメディアに対し「突然あまりにも多くの電話と注文が殺到して大変な状態だ」と語り、「注文を一時停止するほど」と明らかにした。
これに先立ち、イ・ジェミョン(李在明)大統領は前日、アメリカ・ワシントンD.C.のホワイトハウスで行われた米韓首脳会談の署名式で、茶色味を帯びた太めのペンで芳名録に記帳した。
トランプ大統領は「太さが美しい」としてそのペンに関心を示し、「大統領が直接持ってこられたのですか?」と尋ねた。これに対し、李大統領が「はい、持ってきました」と答えると、トランプ大統領は「持って帰られるんですか?」と冗談を言い、李大統領は両手で「差し上げます」というジェスチャーをして、その場でプレゼントした。
その後、このペンへの関心が集まり、ゼナイルのホームページで販売されている全製品が完売。問い合わせが殺到し、現在は注文ができない状況となっている。
ゼナイルは、職人が無垢材を削って作るペンで知られている。製品によってはオリーブやバラなどの素材を選ぶことができ、ヤシの葉から抽出したワックスなど、天然素材が使用されている。販売用製品の価格は8万ウォン台から10万ウォン後半までさまざまだ。
キム代表によると、李大統領が使用した製品は既存の販売品ではなく、大統領室の依頼で作られた「世界に一つだけの作品」だという。当時、大統領室はゼナイル側に「モナミ」のネームペンが入るペンケースを作ってほしいと依頼し、軽量で、鳳凰と太極文様を刻印するよう注文した。キム代表は「7月初めに連絡を受け、8月中旬まで手作業で仕上げた」と語り、「通常の作業の合間に少しずつ進めて完成させた」と明かした。
ペン芯にはモナミのネームペンが使われており、モナミのこの日の株価は前日比29.92%も急騰した。
ゼナイルは、ムン・ジェイン(文在寅)前大統領とも縁がある。2019年、トランプ大統領の1期目の訪韓時、文前大統領との首脳会談において、鳳凰の金属装飾が付いたボールペンを製作したことがある。また、文前大統領の在任中には、与野党5党の院内代表やブラックリスト被害を受けた芸術家たちに、ゼナイル製のペンが贈られたこともあった。
キム代表は今回の米韓首脳会談で自社のペンが使用されたことについて、「最初は大統領室から依頼を受けただけでも光栄に思っていたのに、まさかこんなに大きな場で使われるとは思わなかった」とし、「大統領室が依頼してくださったこと自体、感謝すべきことです」と語った。
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