サムスン(三星)電子が米テキサス州オースティンのファウンドリー(半導体委託生産)工場で、アップルの次世代チップを生産する。サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長が世界的なビッグテックの幹部らと相次いで会談を行い、力を入れてきた成果が徐々に現れている。テスラに続いてアップルでもファウンドリー生産を実現し、非メモリー部門でも世界での競争力を確保することが見込まれている。

アップルは7日、「我が社は米テキサス州オースティンにあるサムスン電子の半導体工場で、サムスン電子の協力のもとに世界で初の革新的なチップ製造技術を開発している」と明らかにした。アップルは「全世界に出荷されるiPhoneを含めたアップル製品の電力効率性と性能を最適化するチップを供給することになるだろう」と付け加えた。

業界では、今回のサムスン電子製のチップが次世代アイフォーン(iPhone)などに搭載されるイメージセンサーだと推定している。イメージセンサーはカメラレンズを通じて入ってきた光をデジタル電気信号に変換させる半導体で、スマートフォンの目の役割をする。サムスン電子は自社のイメージセンサーブランド「アイソセル(ISOCELL)」を設計し、米国のオースティン工場で生産することになる。ソニーは2010年から10年以上にわたりアップルのiPhone用イメージセンサーを独占的に供給してきた。しかしアップルは関税をカードにしたトランプ大統領の現地投資への圧力が強化されたことにより、米国現地で生産する能力があり、イメージセンサー性能が優秀なサムスン電子をパートナーとして選んだものとみられている。今後、イメージセンサー市場でのソニーの独占構図にも変化が生じる見通しだ。

イメージセンサーの供給をきっかけに、サムスンとアップル間の協力関係はさらに強固になる可能性がある。韓国電子技術研究院のイ・ギュボク研究委員は「アップルとともにイメージセンサーや周辺ICについての協力関係を続け、他の分野での協力も増える見込み」と述べ、「アップルが自社でアプリケーションプロセッサーを設計し、ファウンドリー工程を一括受注で再びサムスンに任せる可能性もある」と見込んでいる。

テスラに続いてアップルからの受注に成功したことで、赤字状態の非メモリー(システムLSI・ファウンドリー)事業の正常化に期待が高まっている。李在鎔会長の攻撃的な世界での経営戦略の歩みが実を結び、主力のシステム半導体事業でも巻き返しが本格化する見通しだ。

これを契機にさらに米国のビッグテックからの受注が続く可能性もある。カイスト(KAIST)のユ・フェジュン大学院長は「サムスンのシステム半導体に未来があるという強力なメッセージ」と述べ、「一連の受注を通じて他のビッグテックからの受注をもたらす可能性があり、工場を継続稼動して会社の未来と連続性を示すことができる」と述べた。
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