金氏は、聴取を終え建物1階で待っていた報道陣の前に姿を見せたが、質問には答えず、無言で警護車に乗り込んだ。取材陣が「調査でどのような点を主に釈明したのか」などの質問を投げかけたが、答えなかった。同行したチェ・ジウ弁護士は、「金氏の健康状態が非常に悪い」として、取材陣に自制を求めた。
聴取に臨む際、金氏は「私のような何者でもない人間が、国民の皆さまにご心配をおかけし、心から申し訳ありません。捜査をしっかりと受けてまいります」と発言していた。
特検チームは、ドイツモータース株価操作疑惑、ミョン・テギュン氏への公認介入疑惑、ゴンジン法師への請託疑惑について、金氏に尋問を行った。
関係者によると、金氏は陳述を拒否しなかったものの、すべての容疑について一貫して否認した模様だ。特に、ドイツモータースの株価操作を認識していたことを示す肉声の通話録音ファイルが提示されたが、金氏は関与を否定したと伝えられている。
また、2022年6月に北大西洋条約機構(NATO)会議出席のためスペインを訪問した際に着用していたヴァンクリーフ&アーペルのネックレスを、財産申告から除外した疑惑についても尋問された。これに対し、金氏は「15年ほど前に母親に贈った模造品で、外遊の際に借りて着用した」と説明したという。
実際の聴取時間は、午前10時23分から午後5時46分までの7時間23分に及んだ。午前1回10分間、午後3回合計50分間休憩時間をとった。昼食は持参した弁当で済ませ、聴取後は帰宅まで調書を閲覧していた。
当初、深夜までの聴取も予想されていたが、本人の同意が必要なため、特検チームは延長を提案しなかったとみられる。
今後、特検チームは聴取内容を精査し、金氏の身柄の取り扱いを検討する方針だ。容疑が多岐にわたり、本人が全面的に否認していることから、追加の聴取を行う可能性が高い。また、証拠隠滅の懸念が高まれば、逮捕状を請求する可能性も排除できないとの見方も出ている。
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