現代自動車が水素車の「ハンドル」を握ったものの…商用化の障害は「充電所」=韓国
現代自動車が水素車の「ハンドル」を握ったものの…商用化の障害は「充電所」=韓国
「水素充電所が自宅から車で20分の距離にあったので行ってみたら、休業日でした。燃料残量10%まで運転し、航続可能距離が77キロと表示されたので問題はありませんでしたが、正直少し不安でした。」(30代ネッソ所有者A氏)

 韓国の現代自動車が新型「ネッソ」などを披露し、水素商用車市場でのリーダーシップをさらに固めているものの、不十分な充電インフラが足を引っ張っている。A氏のようなネッソオーナーたちは、水素電気自動車ならではの洗練されたデザインや改善された車両性能には非常に満足しているが、充電所が少ないことで水素車の運用に不便を感じていると訴える。

 実際、水素車の普及が4万台にまで増えたのに対し、全国の充電所は非常に不足しているのが実情だ。5日、水素経済総合情報ポータルによると、今年の国内水素車登録台数は3万9,140台で、普及が本格化した2018年以降、着実に増加している。2018年にはわずか893台だったが、2020年には1万906台と1万台を突破し、2021年には1万9,404台、2022年には2万9,623台、2023年には3万4,258台、そして2024年には3万7,557台と、毎年順調に増加している。

 今年は、現代自動車が7年ぶりにフルモデルチェンジした「ザ・オール・ニュー・ネッソ(The All New NEXO)」を発表した上、環境部が乗用車1万1,000台、水素バス2,000台に対して7,218億ウォンの購入補助金を確定したことで、水素車の普及台数が5万台を突破するとの期待も高まっている。新型ネッソは、航続距離720km、出力150kW、最大トルク350Nmと性能も大きく向上し、燃費など水素車自体の満足度も高まっている。

 問題は、水素車の充電所が絶対的に不足している点だ。環境部の「無公害車統合ポータル」によると、全国の水素車充電所は済州島を含めて229カ所にすぎない。これは電気自動車の充電所が9万729カ所であるのに比べて約400分の1である。上半期基準での累計電気自動車登録台数は約77万5,000台と水素車より圧倒的に多いが、水素車の普及が電気自動車のレベルにまで達するには、まず充電インフラの整備が必要だという分析が出ている。

 環境部が掲げる2030年の無公害車の普及目標(乗用・商用含む)は、電気自動車420万台、水素車30万台だが、現在の状況では目標達成は難しいとみられる。政府や地方自治体が水素バスなどの公共交通を通じて水素車を増やそうとしても限界があるため、水素商用車の急速な拡大が必要とされている。

 日本や中国に対抗し、水素モビリティ産業の競争力を高めるには、国内インフラの拡充が最も急務である。全国で比較的充電所の整備が進んでいるとされるソウルや京畿道ですら、水素車の充電が難しいのが実情だ。京畿道水原に住むネッソオーナーB氏は、「退勤後に充電しようと思って水素車充電アプリを開いてみたら、近くに充電所がなかった。かろうじて行けそうな所も営業時間が午前9時から午後6時までで、会社員にとっては厳しい」とし、「首都圏には午後10時まで営業する所もあるが、他の所に比べて充電費が高すぎる」と語った。

 専門家たちも、現代自動車が「高圧移動式水素充電所」の開発を完了するなど、インフラ拡充のための努力をしていることは評価するが、それだけでは不十分だと指摘する。イ・ホグン大徳大学自動車学科教授は、「水素車の大衆化のためにはインフラ構築が最も重要だが、水素充電所に対する安全規制や高いコストの問題で、都市部での充電所拡大が困難だ」とし、「都市部での水素充電所の拡充には政府の絶対的な支援が必要だ」と述べた。
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