韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領(左)とトランプ米大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領(左)とトランプ米大統領(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室は31日、米国との関税交渉で相互関税を15%に引き下げるとともに、韓国製自動車に対する関税も15%とすることで合意したと発表した。また、今後関税率が発表される予定の半導体・医薬品などについても「最恵国待遇」を受けるとし、コメと牛肉市場を追加開放しないとも明らかにした。

 大統領室はトランプ米大統領が2週間以内に韓米首脳会談を開催すると言及したことを受け、直ちに外交ラインを通じて具体的な日程を協議する予定だ。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領とトランプ氏はこの日午前、それぞれSNSで韓米関税交渉妥結の一報を伝え、大統領室の金容範(キム・ヨンボム)政策室長が緊急会見を開いて詳細な合意内容を説明した。

 今回の合意により組成される3500億ドル(約51兆5000億円)規模のファンドのうち1500億ドルは船舶建造、維持・補修・整備など造船業全般を包括するもので、2000億ドルは半導体や原発、2次電池、バイオなど韓国企業が競争力を持つ分野に対する投資だとし、これらの分野に韓国企業が戦略的パートナーとして参加する可能性が高いと強調した。

 金氏は、韓国に先立ち米国と合意した日本を例に挙げ「単純比較は難しいが、2024年時点で韓国が対米貿易で660億ドルの黒字、日本は685億ドルの黒字を記録したことから、韓国は日本(5500億ドル)より規模の小さい3500億ドルの投資ファンドを組成することを決めた」と述べた。

 また、造船業のファンド1500億ドルを除けば投資額は日本の36%の水準にとどまっているとし、「われわれなりに日本の交渉を精密に分析し、交渉にはるかに多くの安全装置を含めた」と説明した。

 金氏は自動車関税について、日本が2.5%の関税から12.5ポイント引き上げられた15%で合意したため、韓米自由貿易協定(FTA)により0%の関税が適用されている韓国は12.5%にすべきだと主張したが、トランプ氏が15%という意見を曲げなかったとして悔しさをにじませた。

 敏感な分野とされる農畜産物の交渉では、米国から市場開放の強い要求があったとしながらも、食料安全保障と農業の敏感性を考慮し、コメと牛肉市場は追加開放しないことで合意したと説明。月齢30カ月未満の牛肉のみの輸入を認める規制の緩和問題やコメの輸入拡大をめぐって激しい議論が交わされたが、韓国側は譲歩しなかったと重ねて強調した。 

 トランプ氏がSNSで農産物市場の開放を示唆したことについては「政治指導者の表現として理解しており、交渉の責任を負う閣僚らの対話ではその部分の合意は全くなかった」と明言した。

 トランプ氏が、韓国が液化天然ガス(LNG)とそれ以外のエネルギー製品を1000億ドル分購入することで合意したと言及したことに対しては、通常の経済規模で必要な輸入額との認識を示した。

 ラトニック米商務長官がX(旧ツイッター)に「(韓国の投資による)収益の90%は米国民に渡る」と書き込んだことについては「(収益が米国に)再投資されるという意味と理解している」と述べた。

 このほか、米グーグルによる精密地図データの国外搬出問題や在韓米軍の駐留経費の分担金引き上げ問題、武器輸入交渉などについては今回の交渉には含まれなかったと明らかにした。


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