陸軍航空司令部隷下の航空旅団所属の関係者の供述を与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)国会議員側を通じて聯合ニュースが確保した。供述によると、同司令部は昨年1年間だけで7~8回にわたり、アパッチをNLLに沿って飛行させたという。
アパッチをNLL付近で飛行させる作戦は軍合同参謀本部の命令により昨年5~6月ごろから月に1~2回ずつ実施された。
30ミリ機関砲やミサイルで武装されたアパッチをNLLに沿って黄海の延坪島や白○(○=令に羽)島を経て20分程度飛行するよう異例の指示が下されたという。
両島に向かう場合、通常は北朝鮮に近いNLL沿いを通らないが、昨年はNLLに沿って飛行するよう指示があったことになる。
作戦は主に夜間ではなく昼間に行われ、ヘリは北朝鮮軍基地とわずか2~3キロ離れた距離を飛行した。当時作戦に投入された操縦士は「北の漁船が肉眼で見えるほどだった」と話したという。
北朝鮮との衝突を誘発することが目的と疑われる無理な作戦が続き、部隊内では、大統領の支持率を上げるため、北朝鮮に挑発行為をさせようと仕向けているのではないかとする懸念が持ち上がっていたという。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が「非常戒厳」を宣言する理由をつくるため、北朝鮮との軍事衝突を誘発しようとしたとして「外患」などの容疑について捜査する特別検察官も軍が武装したヘリコプターをNLL周辺に飛ばしたとする関係者の証言について調べていることが確認された。
特別検察官側は尹氏や当時国防部長官だった金龍顕(キム・ヨンヒョン)氏が平壌に無人機を飛ばして衝突を引き起こそうとしたとみて捜査を進めており、軍が攻撃ヘリをNLL周辺に飛ばしたのも両氏の指示だった可能性もあるとみている。
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