2019年6月30日、板門店で対面したトランプ氏(左)と金正恩氏=(聯合ニュース)
2019年6月30日、板門店で対面したトランプ氏(左)と金正恩氏=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は29日、談話を発表し、「米国が変化した現実を受け止められず過去に執着すれば、朝米(米朝)の接触は米国側の『希望』として残るだけ」と述べた。朝鮮中央通信が伝えた。

 また、非核化に向けた北朝鮮との対話に前向きな姿勢を示した米ホワイトハウス当局者の発言を取り上げ、「今は2018年や2019年ではない」と言い放った。トランプ大統領と金正恩氏は2018年6月にシンガポールで、2019年2月にベトナム・ハノイで首脳会談を行い、同年6月には韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店で対面した。

 金与正氏は「われわれの首班と米国大統領の個人的な関係が悪くないという事実を否定したくはない」としながらも、「朝米首脳の個人的な関係が非核化実現の目的と同一線上に置かれるのであれば、それは相手に対する愚弄としか解釈できない」と強調。「わが国の不可逆的な核保有国の地位も、その能力も、地政学的な環境も根本的に変わったという厳然たる事実を認めることは今後のすべてのことを予測し考える上で前提にならなければならない」と述べた。そのうえで、「わが国の核保有国の地位を否定しようとするいかなる試みも徹底的に排撃する」と断言した。

 また、「核を保有する二つの国が対立的な方向に進むことは決して互いに利益にならないという事実を認める最低限の判断力はあるはずであり、そのような新しい思考に基づき別の接触を模索してみるのが良い」と述べた。非核化交渉は行わないとの従来の立場を改めて示しながらも、別の目的の対話は可能との姿勢を示唆したものとみられる。


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