同教会トップの韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁が暮らす「天苑宮」や金氏にダイヤモンドのネックレスなどを贈り、カンボジアでの事業で政府開発援助(ODA)を受けるため働きかけを試みたとされる教団の元幹部の自宅も捜索した。
同教会を巡っては、元幹部が2022年、「コンジン法師」と呼ばれるチョン・ソンベ氏を通じ、金建希氏にネックレスや高級バッグなどを渡した疑いがある。金氏に対し、同教会のカンボジア・メコン川開発事業への支援やニュース専門テレビ局・YTNの買収、国連事務局の韓国誘致、大統領就任式への招待などで便宜を図るよう働きかけたとされる。
チョン氏は検察の取り調べで、ネックレスなどは受け取ったが、すべて紛失したと供述した。検察はチョン氏や元幹部、金建希氏の自宅を捜索したが、ネックレスなどは見つからなかった。
元幹部は取り調べに対し、金建希氏に働きかけを試みたことを認め、「韓総裁の決裁を受けて行った」と供述したとされる。だが、同教会は元幹部の個人的な行動であり、教団とは関係ないとの立場を示した。元幹部は教団を追放された。
特別検察官チームは最大野党「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)前院内代表の国会議員室や地元の事務所も捜索した。23年、当時与党だった国民の力の党代表選で、チョン氏と元幹部が権氏を当選させるため同教会の信徒を党員に加入させようとしたとの疑いが出ている。
特別検察官チームは同教会の幹部らの海外賭博に関する捜査を中止させたとの疑惑についても調べている。韓氏らが08~11年に米ラスベガスのカジノで計約600億ウォン(約64億円)を使ったとの情報を警察が入手し、捜査を進めたが、尹前大統領の側近らの介入で捜査が中止されたとの疑惑がある。
一方、特別検察官チームは金建希氏が国民の力の公認候補選びなどに不正に介入したとの疑惑を巡り、金相玟(キム・サンミン)元検事が一時所属していた情報機関・国家情報院を捜索した。昨年4月の総選挙で金建希氏が金相玟氏を出馬させるため、不当な影響力を行使しようとしたとの疑惑が浮上している。金相玟氏は国民の力の公認候補に選ばれなかったが、その後、国家情報院に特別補佐官として採用された。採用を巡り、金建希氏側が不当に影響力を行使したとの疑惑が取り沙汰されていた。
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