グーグルが精密地図の搬出を要請したのは2011年と2016年に続いて3度目だ。今度は「アメリカファースト」を前面に押し出している米政府の威を借りた格好だ。2回の審査で韓国政府はグーグルがサーバーを国内に置き、軍事基地などの機密情報を偽装したり低解像度処理した場合、地図の搬出を許容できるとの立場を示した。しかし、グーグルはいかなる条件も受け入れなかった。この対応はやはり精密地図の搬出を要請したアップルがサーバーを韓国に置いて韓国政府の要求に柔軟な姿勢を見せているのとは対照的だ。
問題は通商にある。トランプ大統領の関税政策は友好国に対しても厳しく、関税率も国によって異なる。韓国政府が今回も安保を理由に精密地図の搬出を許可しない場合、その影響を懸念せざるを得ない。国内の一部では、精密地図の搬出禁止が世界の流れとかけ離れたガラパゴス規制だと批判する声があるのも事実だ。特にグーグルマップの使用は韓国では不便を強いられる。韓国を訪れる外国人観光客も2万5000分の1の地図に不便を感じている。
最も簡単な解決策は、グーグルが韓国特有の安保特性を尊重し、韓国政府の要求を受け入れることを条件に政府が搬出許可を出すことだ。それが難しければ、次善の策を講じなければならない。精密地図の搬出は管轄省庁である国土交通部をはじめ、国防部、外交部、統一部、産業通商資源部、行政安全部、国家情報院などが参加する政府協議体で審査する。安全保障は放棄することのできない絶対的価値だ。かといって、国益を放棄することもできない。新政権の長官らが就任し次第、政府が速やかに意見統一を図らなければならない。
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