駐米韓国大使館によると、第28代駐米大使であったチョ氏は、ワシントンD.C.の大使館で行われた離任式に出席し、職員たちと別れの挨拶を交わしたのち、近郊のダレス国際空港から出国した。
チョ大使は、ユン・ソギョル(尹錫悦)前大統領の任期中である2023年4月に駐米大使に就任し、任期中は尹大統領の国賓訪米や、キャンプ・デービッドでの韓米日3か国首脳会談などに関与した。特にアメリカおよび北朝鮮の核問題に関する外交において専門性を持つと評価されている。尹政権では初代外交部第一次官も務めた。正統なキャリア外交官ではあるが、「特任公館長」として大統領が専門性と資質を評価し抜擢した人物でもある。
それだけに、チョ大使は在任中、アメリカでは(ジョー・バイデン前大統領からドナルド・トランプ大統領への政権交代と、非常厳戒および弾劾事態と続く韓国(尹前大統領から李在明大統領)の政権交代という激動期に、韓米間のコミュニケーションの橋渡し役を果たしてきた。
しかし、李在明政権の発足により、アメリカ、日本、ロシア、フランスなど主要国に駐在する大使に対し離任の指示が出され、チョ大使も帰国することとなった。今後はイ・ジュノ駐米大使館政務公使が次期大使着任まで代理大使を務める。
これにより、米韓両国ともに相手国に駐在する正式な大使が不在となった。アメリカ側では、フィリップ・ゴールドバーグ前駐韓米国大使が2024年1月7日に離任し、11日にジョセフ・ユン臨時大使が着任して以来、半年以上にわたり臨時体制が続いている。2025年1月に就任したトランプ大統領、および6月に就任した李大統領はいずれも、未だ新任の駐米大使および駐韓大使を指名していない。
新任の駐米大使は、早くてもチョ・ヒョン外交部長官候補の任命後に決まる見通しである。チョ候補の国会人事聴聞会は7月17日に予定されており、新たな外交部長官の任命後に指名される次期駐米大使は、アグレマン(駐在国の同意)手続きなどを経る必要があるため、当面の間、駐米大使館は大使代理体制で運営される見込みである。
現在、李在明政権発足後初となる韓米首脳会談の開催をめぐり、両国間で調整が進められているが、会談のスケジュールが早期に決まった場合、両国ともに正式な大使が不在のまま首脳会談が行われる可能性も取り沙汰されている。
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