韓国首席代表を務める外交部の朴潤柱(パク・ユンジュ)第1次官は10、11の両日、韓ASEAN外相会議、ASEANプラス3(韓中日)外相会議、東アジア首脳会議(EAS)、韓メコン外相会議、ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に出席する。
韓国政府は今回の一連の会議について、新政権がASEANを重視する政策を維持する意思を強調し、サプライチェーン(供給網)、AI(人工知能)、文化、グリーン転換などの分野での協力強化を呼びかけるメッセージを発信する機会になると期待する。
また国際社会に対し、朝鮮半島の平和と北朝鮮核問題解決の実質的進展を目指して努力する新政権への協力と支持を求める機会にする方針だ。
特に米中日ロの朝鮮半島を取り巻く主要国が集まるEASや、北朝鮮が加盟するARFでは朝鮮半島問題をはじめミャンマー、中東、南シナ海、ウクライナなど国際情勢や安全保障に関する懸案を巡り各国の激しい攻防が予想される。
ARF閣僚会議後に発表される議長声明には、北朝鮮核問題の解決に向けたメッセージを盛り込むことを目指す韓国の立場がどの程度反映されるか注目される。
また韓国とASEANは昨年10月の首脳会議で、互いの関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることで合意。会議後に共同声明を発表したが、今回の韓ASEAN外相会議では、共同声明の細部履行計画となる「2026~30年の行動計画」が採択される予定だ。
一連の会議に次官が出席するのは、外交部長官候補に指名された趙顕(チョ・ヒョン)元同部第1次官の任命手続きが終わっていないため。これにより、米中日ロの外相との2国間会談は限定的になるとみられる。
一方、ARFは北朝鮮が参加する唯一の域内の多国間協議だが、今回、北朝鮮はARF外相会議に参加しない見通しだ。北朝鮮が同会議に出席しないのは、北朝鮮が2000年にARFに加盟してから初めて。
マレーシアでは、2017年にクアラルンプール国際空港で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が暗殺される事件が発生。また21年にはマレーシア当局が資金洗浄の罪などに問われた北朝鮮の男を米国に引き渡したことに反発して北朝鮮がマレーシアとの国交断絶を宣言した。
またASEANは外交関係のない国については、会議に招かないのが通例という。北朝鮮側もARF外相会議に出席しても得るものが少ないと判断した可能性がある。
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