北朝鮮脱出住民、金正恩氏を提訴へ…韓国で人権侵害巡り民事・刑事訴訟
北朝鮮脱出住民、金正恩氏を提訴へ…韓国で人権侵害巡り民事・刑事訴訟
北朝鮮を脱出した住民が、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記などに対し、人権侵害の責任を問う民事および刑事訴訟を韓国の裁判所に提起する。

 北朝鮮人権情報センター(NKDB)人権侵害支援センターは9日、チェ・ミンギョン北朝鮮監禁被害者家族会代表を代理し、11日にソウル中央地方裁判所に民事訴状、ソウル中央地方検察庁に刑事告訴状をそれぞれ提出すると発表した。

 チェ代表は1997年に脱北し中国に滞在していたが、2008年に強制送還された。その後、ハムギョン(咸鏡)北道穏城市保衛部など、北朝鮮国内の拘禁施設で約5カ月間にわたり、性的虐待、物理的暴力、非人道的な拷問などの人権侵害を受けたと主張している。

 これを受け、チェ代表は、金総書記と保衛部所属の関係者など計5名に対し、国際刑事犯罪法違反などの容疑を適用し、刑事告訴する方針だ。

 チェ代表は、「金氏3代世襲体制が犯した反人道的犯罪の責任を必ず問わなければならないという切迫した気持ちで臨んでいる」と述べ、「今回の法的対応が、北朝鮮の人権問題に対する国内外の関心を喚起するきっかけとなることを願う」と訴えた。

 同センターは、今回の訴訟を「北朝鮮出身の人権侵害被害者による初の訴訟という歴史的意義を持つ事件」と位置づけている。今後、国連人権機関や国際刑事裁判所(ICC)への提訴など、国際的な手続きも進める計画だ。
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