今月7日午後5時30分ごろ、韓国慶尚北道(キョンサンブクト)亀尾(クミ)のあるマンション建設現場で働いていた23歳のベトナム国籍の労働者A氏が、呼吸をしていない状態で発見された。午後4時に作業が終了した直後、トイレに行ったきり戻ってこなかった。
A氏は壁にもたれかかるように座った状態で死亡しており、同僚によって発見された。当時の体温は40.2度に達していた。消防当局は、熱中症によって倒れたものとみている。
熱中症によって体温が40度近くになると失神の可能性が非常に高くなり、41度以上になると脳や心臓などの臓器が損傷し、死亡に至る可能性がある。
事故当日、亀尾の昼間の気温は38.3度まで上昇し、観測史上最高気温を記録した。
この日、初出勤で午前8時30分から働いていたA氏が亡くなった当時、多くの韓国人労働者らはすでに退勤していたと伝えられている。
猛暑警報が出されるなど酷暑期には、午前6時に出勤し午後1時に退勤するよう勤務時間を調整していたが、A氏のような未登録の外国人労働者らは、こうした要求もできないまま働いていた。
全国民主労働組合総連盟 全国建設労働組合 大邱(テグ)・慶北(キョンブク)建設支部は、9日、大邱地方雇用労働庁前で記者会見を開き、A氏の死亡事件に関する真相究明と再発防止策の確立を求めた。
同支部は「韓国人労働者には休息を保障しながら、外国人労働者には通常通りの作業をさせていたという疑惑が出ている」と述べ、「建設業者がコスト削減や工期短縮のために安全をおろそかにする慣行が今回の惨事を招いた」と主張した。
雇用している労働者や外国人労働者が熱中症で死亡した場合、雇用事業主は重大災害処罰法などに基づき刑事処罰の対象になる可能性がある。
労働当局は、当該事業所に作業停止命令を出し、熱中症予防のための安全教育が適切に実施されていたかなど、産業安全保健法や重大災害法違反の有無を調査中だ。
警察は、A氏の正確な死因を明らかにするため解剖を行う予定だ。
一方、雇用労働部は、体感温度が33度以上の場合、2時間ごとに20分以上の休憩を義務づける案を推進していたが、規制改革委員会の再検討勧告により進展が滞っており、最近になって再審査を要請することにした。
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