朴禎勳大領=(聯合ニュース)
朴禎勳大領=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で2023年7月に起きた海兵隊員の殉職事故に絡み、捜査に圧力がかけられた疑惑を政府から独立して捜査する特別検察官チームは9日、事故の調査過程で上官の命令に従わなかったとして抗命および名誉毀損(きそん)の罪に問われた元海兵隊捜査団長、朴禎勳(パク・ジョンフン)大領(大佐)の刑事裁判に対する控訴を取り下げた。これにより、朴氏の無罪が確定した。

 李明鉉(イ・ミョンヒョン)特別検察官は記者会見で「原審判決と客観的証拠、軍検察の控訴理由が法理的に妥当かどうかを総合的に検討した結果、控訴の取り下げを決めた」とし、国防部検察団が朴氏を起訴したことは公訴権の乱用に当たると指摘した。

 水害による行方不明者を捜索中だった海兵隊員が殉職した事故の初動捜査を担当した朴氏は、海兵隊幹部らに業務上過失致死などの疑いがあるとの調査結果を警察に伝達することを保留するよう軍上層部から指示されたにもかかわらず通達を強行。国防部検察団は23年10月、上官の命令に従わず、当時国防部長官だった李鐘燮(イ・ジョンソプ)氏の名誉を毀損したとして朴氏を起訴した。

 朴氏は今年初めに一審で無罪を言い渡されたが軍検察が控訴し、ソウル高裁で裁判を受けていた。

 公訴の取り下げを受け、李鐘燮氏側は「特別検察官には朴大領の公判を軍検察から移管される権限も、控訴を取り下げる権限もない」とし、「違法な越権行為」と主張した。

 これに対し、丁珉榮(チョン・ミニョン)特別検事補は会見で「十分に法理的検討を行い、特別検察官法の公訴維持権限に控訴を取り下げる権限も含まれていると判断した」とし、「法令に沿った権限行使」と説明した。


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