会見を行う拉北者家族会の崔成龍(チェ・ソンリョン)代表=8日、坡州(聯合ニュース)
会見を行う拉北者家族会の崔成龍(チェ・ソンリョン)代表=8日、坡州(聯合ニュース)
【坡州聯合ニュース】韓国の拉致被害者家族でつくる「拉北者家族会」は8日、北朝鮮との軍事境界線に近い京畿道坡州市の臨津閣で同市と共同記者会見を開き、昨年10月から行っていた北朝鮮に向けたビラ散布を中止すると宣言した。

 拉北者家族会の崔成龍(チェ・ソンリョン)代表は、統一部長官候補に指名された鄭東泳(チョン・ドンヨン)国会議員と同部の金南中(キム・ナムジュン)次官、与党「共に民主党」の尹厚徳(ユン・フドク)国会議員から直接電話があったことで気持ちが揺らいだと説明した。

 また、南北首脳会談や南北対話の早期実現のため、他の団体に対してもビラ散布を中止するよう呼びかけた。

 会見に出席した坡州市の金京一(キム・ギョンイル)市長は「坡州市民はこの1年余り、対北ビラ(散布)と(北朝鮮からの)汚物風船、対北・対南(宣伝)放送で苦痛を受けてきた」とし、「南北間の対話を通じて拉致された家族の生死確認と送還問題が速やかに解決されるよう心から願う」と述べた。

 拉北者家族会は2008年から北朝鮮に向けてビラを散布していたが、13年に当時の朴槿恵(パク・クネ)政権と与党の要請を受けて自主的に中止。昨年10月、約11年ぶりに散布を再開した。

 同団体は昨年10月と今年4月に臨津閣から北朝鮮に向けてビラ散布を試みたが、自治体や住民、市民団体の反発により失敗に終わった。

 その後、4月27日に臨津閣、5月8日に江原道鉄原郡、6月2日に坡州市の南北軍事境界線付近から北朝鮮に向けて非公開でビラを散布した。 


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