特別検察官の取り調べを終え帰宅する尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領=29日、ソウル(聯合ニュース)
特別検察官の取り調べを終え帰宅する尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領は29日未明、「非常戒厳」宣言を巡る内乱事件を政府から独立して捜査する特別検察官の取り調べを終えて帰宅した。28日午前10時ごろに出頭してから約15時間、特別検察官の事務所が設置されたソウル高検にいたが、一部の取り調べを拒否するなど実際の聴取時間は5時間余りにすぎなかった。

 尹氏が今月18日に捜査を開始した趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官のチームの取り調べを受けるのは初めてだった。

 午前の聴取は順調に進んだが、午後になると尹氏側は警察の捜査官が取り調べを行うことを問題視。この捜査官は尹氏に対する「違法拘束」を執行したなどとして刑事告発されており、尹氏側は「加害者」が取り調べを行うことはできないと反発した。

 特別検察官側は尹氏が捜査機関による自身の拘束を阻止するよう指示した容疑と、軍の司令官らが使う盗聴防止用携帯電話の情報を削除するよう指示した容疑について聴取を午後も引き続き行う予定だったが、尹氏が取調室に入るのを拒否したため両容疑に関する聴取は行われなかった。

 尹氏は検事が聴取を行った非常戒厳直後の閣議や国会の非常戒厳解除案の決議妨害、北朝鮮からの攻撃を誘発しようとした外患容疑などに関しては取り調べに応じた。聴取は午後9時50分ごろに終了。その後、尹氏は約3時間、調書の確認をしたとされる。

 特別検察官側はこの日の取り調べだけでは不十分だったとして、尹氏側に30日午前9時に再出頭するよう書面で伝えた。尹氏側は出頭に応じるかどうかについて即答しなかったという。


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