陸軍会館で記者団の取材に応じる安圭伯氏=27日、ソウル(聯合ニュース)
陸軍会館で記者団の取材に応じる安圭伯氏=27日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の国防部長官候補に指名された安圭伯(アン・ギュベク)氏は27日、記者団に対し、効力が停止されている南北軍事合意について、合意の早期復活より南北の民間交流から推進する必要があるとの考えを明らかにした。

 軍事境界線付近での敵対行為などを禁じた南北軍事合意は2018年に締結されたが、北朝鮮による「ごみ風船」散布などを受け、韓国は24年6月に合意の効力を全面的に停止した。

 安氏は「まず民間の交流があり、そして軍事合意を元に戻し、朝鮮半島の平和の機運が流れるようにしなければならない」と表明。「北は私たちの敵でありながら同胞」として、「その二つの視線で北を見つめるしかない」と述べ、北朝鮮の軍事的な脅威には徹底的に備えながらも、交流・協力を通じて平和の機運を高める必要があるとの認識を示した。

 また、「軍事合意も原点から再検討すべきだ」とし、「今すぐ戻すより、何が最も平和な方法なのか、何が南北が最も平和に暮らせる方法なのか、この問題を最適化させたい」と述べた。軍事合意をそのまま復活させるのではなく、南北対話を通じ、最適な合意を引き出す考えとみられる。

 国防改革の最優先課題については、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による昨年12月の「非常戒厳」に軍が動員されたことに言及し、「軍が傷つき、自負心を失っている」として、「無形の価値である精神力と自信を生かすことがどのような武器体系より重要だ」と強調した。

 在韓米軍の戦略的柔軟性の向上や国防費の引き上げ問題に関しては、「受動的な姿勢より積極的に、ポジティブな姿勢ですべてを国益の観点から考える」と原則的な立場を述べるにとどめた。

 安氏は当選5回の国会議員で、軍出身者ではない民間出身が国防部長官候補に指名されるのは1961年の軍事クーデター以降初めて。国会の人事聴聞会を経て正式に任命される。


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