黄江ダムの下流にあるソウル北方・京畿道漣川郡の郡南ダム(資料写真)=(聯合ニュース)
黄江ダムの下流にあるソウル北方・京畿道漣川郡の郡南ダム(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部のチャン・ユンジョン副報道官は27日の定例会見で、梅雨の時期を迎え、南北境界地域の洪水被害防止のため北朝鮮に対し韓国に流れ込む臨津江の上流にある黄江ダムについて放流前に通知するよう要請した。

 チャン氏は「自然災害に対する共同対応は人道主義的事案であり、南と北は臨津江の水害防止のための協力に複数回合意した」と説明した。

 また、北朝鮮によるダム放流前の通知は南北境界地域に住む韓国国民の安全と直接的に関連する問題だと指摘。政府は関係機関と緊密に協力し、住民の安全のために万全を期すと強調した。

 北朝鮮は2023年4月に南北間の連絡チャンネルを一方的に遮断して以降、韓国側の通話の要請に応じていない。これに対し、統一部はメディア向けの会見という方法で北朝鮮にメッセージを発信したといえる。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権は黄江ダムの無断放流について記者会見で遺憾の意を表明し、事前に通知するよう促した。李在明(イ・ジェミョン)政権は北朝鮮にダム放流の事前通知を要請する一方、近ごろ北朝鮮がダムを無断放流していることについては言及していない。

 環境部は25日、南北軍事境界線に近いソウル北方の京畿道漣川郡にある必勝橋の水位が行楽客避難基準水位(1.0メートル)に達したとし、北朝鮮が黄江ダムを放流したためと推定されると明らかにした。

 27日午前8時時点の必勝橋の水位は0.77メートルとなっている。

 2009年9月、北朝鮮が黄江ダムで事前通知なく放流を行ったことで、韓国国民6人が死亡または行方不明となった。この事故を受けて南北は翌月、北朝鮮が黄江ダムを放流する際は韓国側に事前に通知することで合意した。北朝鮮は10年に2回、13年に1回通知して以降、韓国政府の再三の要求にもかかわらず通知せずに放流を繰り返している。  


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