拉北者家族会の崔成龍代表=24日、東豆川(聯合ニュース)
拉北者家族会の崔成龍代表=24日、東豆川(聯合ニュース)
【東豆川聯合ニュース】韓国の拉致被害者家族でつくる「拉北者家族会」は24日、政府高官から慰労の電話があったとして、北朝鮮に向けたビラ散布の中止を検討すると明らかにした。

 拉北者家族会の崔成龍(チェ・ソンリョン)代表はこの日、ソウル近郊・東豆川市にある朝鮮戦争のベルギー・ルクセンブルク参戦記念碑を訪れた後、前日に政府高官から慰労の連絡を受けたと明らかにした。崔氏は「現政権の関係者は誰よりも拉致被害者問題をよく理解し、過去にも助けてくれた方々」とし、「現政権が南北対話を通じて拉致被害者の生死を確認する機会を必ず作ってくれるよう願う」と述べた。

 崔氏の父は1967年、黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い仁川・延坪島の近海で漁船を操業中に北朝鮮に拉致され、朝鮮戦争の際に米軍傘下の非正規特殊部隊で活動したとして72年に処刑された。

 拉北者家族会は北朝鮮との軍事境界線に近い京畿道坡州市の臨津閣で来月10日まで集会を開くと届け出ており、同日にビラ散布の中止を宣言する可能性が高い。今月16日に行った記者会見では、政府が拉致被害者家族に対し心からの慰労を伝えればビラ散布を中止すると表明していた。

 同団体は今年4月27日に臨津閣、5月8日に江原道鉄原郡、6月2日に坡州市の南北軍事境界線付近から北朝鮮に向けてビラを散布した。

 韓国政府は李在明(イ・ジェミョン)大統領がビラ散布に厳正に対応するよう指示したことを受け、北朝鮮との境界地域に警察機動隊を配置。ビラ散布を防ぎ、処罰の実効性を高めるための関連法改正を検討している。


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