この日の裁判には戒厳当時に、戒厳司令部の企画調整室長を務めたイ・ジェシク元軍合同参謀本部戦備態勢検閲次長が証人として出席した。
朴氏はイ氏に行った証人尋問で「戒厳の任務を遂行する軍の指定手続きを厳格に統制するということは、ある意味では、大統領でも戒厳に関連する権限をむやみに発動できないというまた別の統制とみなすことができるか」と尋ねた。
これに対しイ氏は「戒厳が宣言されても少なくとも物理的任務を遂行する戒厳軍はむやみに指定せず、活用するなというまた別の統制とみなせば良いと思う」と説明した。
イ氏は尹前大統領側の尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士から「予防的戒厳という言葉を聞いたことがあるか」と問われ、「予防的戒厳は用語ではなく、予防的に(戒厳を)宣言できないという言葉が実務便覧にある」と答えた。
この日の公判では非常戒厳当時、合同参謀本部の戒厳課長だったクォン・ヨンファン陸軍大佐の証人尋問も行われた。
クォン氏は「私が考える戒厳宣言の要件に符合しないと思った」として「関連手続きをあらかじめ取れという指示も全くなかった」と証言した。
尹前大統領はこの日、自ら証言に反論した。
イ氏が「合同参謀議長の戒厳司令官指名を前提に戒厳課が母体となって戒厳関連のすべての指示と方向を設定し提示する」と証言したことに対して、尹前大統領は「全面戦ではなく局地戦でも起きれば合同参謀議長は戒厳司令官をすることができない」とし「軍事衝突が起きれば合同参謀議長は戒厳事務を担当する余裕がない」と話した。
また「戒厳の業務は基本的に軍を投入する業務であるため、軍政業務というより軍令業務に属するとみなされるため、合同参謀本部に戒厳課が置かれているだけ」とし「証人2人は合同参謀議長が戒厳司令官になり、戦時を基準にして(戒厳を)準備すると言ったが、これは(戒厳の)趣旨からみれば、正しくない話」と指摘した。
そのうえで、昨年12月の非常戒厳は国民に強いメッセージを送るために行われたのであり、最小限の実弾装備していない兵を投入する状況だったとし、「戒厳課に勤める人の話が全て正しいわけではない。別の角度から申し上げる」と述べて反論を締めくくった。
一方、この日尹前大統領側は、特別検察官に事件が移管され、公判を維持することに異議を申し立てた。
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