WSJによると、米国商務省の産業・安全担当次官であるジェフリー・ケスラー氏は、今週、サムスン電子、SKハイニックス、台湾のTSMCに対してこの方針を直接伝達した。ケスラー次官は、これら3社の中国にある半導体工場へ米国製装置を供給する際に、これまで適用していた個別許可不要の措置を撤回したいという意向を明らかにしたという。
この措置は、韓国および台湾の半導体企業が中国国内で米国製先端装置を使用することを、事実上遮断する意図があると解釈されている。米国政府が装置の輸出を全面禁止しなくても、許可審査を通じて敏感な技術の流入を制御する可能性が高いからである。
今回の方針は、トランプ政権第2期に入り米中間の技術覇権争いが激化する中で、米国の核心技術が中国に移転するのを阻止しようとする措置として受け止められている。
これに先立ち、バイデン政権は米国企業による中国半導体企業への先端装置輸出を制限する輸出統制措置を実施しつつも、サムスン電子やSKハイニックスなど友好国企業の中国工場には一時的な例外を認めていた。サムスン電子は中国・西安と蘇州にそれぞれNANDフラッシュ生産工場とパッケージング工場を運営しており、SKハイニックスは無錫にDRAM工場、重慶にパッケージング工場、大連にNAND工場を保有している。
バイデン政権は中国の「技術立国」をけん制しつつも、同盟国企業への被害を抑えるために「認定最終ユーザー(VEU:Validated End User)」制度を適用してきた。この制度は、事前承認された企業に対しては個別許可なしに包括的な輸出を認めるもので、韓国の半導体企業の中国工場もこれに該当していた。
WSJは、トランプ政権がこのVEU制度自体を廃止する可能性も否定できないと伝えている。
今回の措置は、最近ジュネーブとロンドンで開催された米中間の高官級貿易会談の直後に発表されたことで、再び両国間の対立の火種となる可能性があるとの見方も出ている。ホワイトハウスの関係者はWSJに対し、「今回の方針は米中貿易対立の激化を意図したものではない」としながらも、「中国が米国産レアアース輸出に許可制を導入したのと同様の対応である」と説明した。
中国は世界のレアアース生産の半分以上を占めており、この資源を戦略的手段として活用してきた。
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