ジェームズ・ヒーナン氏(資料写真)=(聯合ニュース)
ジェームズ・ヒーナン氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の人権状況の監視と記録を担う国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)ソウル事務所のジェームズ・ヒーナン所長は聯合ニュースとのインタビューで、ウクライナの捕虜になった北朝鮮兵の送還について、「捕虜が何を望んでいるかが重要で、決定を下す時は選択肢と情報が十分に与えられなければならない」とし、「戦争捕虜の意思に反して送還されるなら問題だ」と述べた。

 また「当事者ではない別の人が決定を下す方向に進んではならない」と強調した。

 韓国市民団体による北朝鮮へのビラ散布については、「北朝鮮住民に独自かつ客観的な情報を提供しようとする良い意図から始まっているという観点から見なければならない」と述べた。

 そのうえで、ビラ散布を行っている団体には拉致被害者家族もいるとし、「被害者の声が必ず考慮されなければならない。この人たちが何を望んでいるのか聞くことが重要だ」と指摘した。

 一方でヒーナン氏は「国の安全保障上の脅威になる場合、表現の自由が制限されることはあり得る」とし「政府レベルではバランスを取る努力が必要だ」と話した。

 北朝鮮に対する人道的支援については「人権状況を改善するのに役立つのは明らかだ」とし、「児童、女性、高齢者層、障害者など社会的弱者に対し、公平に提供されなければならない」と強調した。 

 OHCHRソウル事務所は国連人権理事会の決議に基づき、2015年に設置された。

 ヒーナン氏は2022年10月に所長に就任。当時からこれまでに北朝鮮の人権状況で特に悪化したのは「表現の自由」と「移動の自由」と指摘し、外部情報の入手がかなり困難になり、北朝鮮内の移動もこれまで以上に自由が制限されたと説明した。


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