野党、金民錫氏に総理候補辞退要求…借入金の透明性欠如を追及=韓国
野党、金民錫氏に総理候補辞退要求…借入金の透明性欠如を追及=韓国
韓国の野党「国民の力」は15日、キム・ミンソク(金民錫)国務総理候補に対し、違法政治資金提供者との金銭取引疑惑が浮上していることを受け、辞退を強く迫った。同党は「イ・ジェミョン(李在明)政権の成功を望むのであれば、自らがどうすべきか熟考すべきだ」と、圧力を一段と強めている。

 国民の力のキム・ヨンテ(金龍泰)非常対策委員長は同日、自身のフェイスブックに「金候補は2018年に知人11人から1億4000万ウォン(約1476万円)を借りたと主張しているが、そのうちの一人である李氏は、金候補の長年の後援者である姜氏の会社で監査を務めていた人物だ」と投稿した。

 金非常対策委員長はさらに、「全羅北道チョンウプ(井邑)市で会社員として働く70代の人物が、地域的な縁故もない金候補に、無担保で1000万ウォン(約105万円)を7年間も貸していたというのは不自然だ」と指摘。また、「11人全員が同時期に同形式で借用証を作成しているが、借用の形式を整えただけで、資金の実体は依然として不透明」と述べ、「金候補は資金の真の所有者について釈明すべきであり、それが公職者としての最低限の責任」と強調した。

 同氏はまた、「京畿道庁の法人カード流用、弁護士費用肩代わり疑惑、サンバンウルグループによる北朝鮮への送金など、他人の金を自分の金のように使った人物が思い浮かぶ。その大統領にその総理なのか」と、李在明大統領を暗に批判した。金非常対策委員長は「金候補は過去、人事聴聞会で他人に突きつけた基準を思い出すべきであり、その基準を今、本人にも同様に適用すべきだ」と付け加えた。

 これに先立ち、金候補の人事聴聞特別委員会委員を務めるチュ・ジンウ(朱晋佑)議員は、金候補が李氏と締結した金銭消費貸借契約書を公開し、「李氏と金候補は地域的な縁故が異なり、年齢も10歳も離れている。無担保で1000万ウォンを7年間も貸せるような関係ではない」とし、「資金の出先が姜氏ではないか、明らかにすべきだ」と主張した。

 カン・ジョンエ(姜銓愛)報道官も論評で、「金候補の債務疑惑は単純な道徳性の問題に留まらず、権力を利用した組織的な金銭取引疑惑に拡大している」と指摘。「不明瞭な私債あっせんまで受けた者が、大韓民国国政のナンバー2としてふさわしいのか」と疑問を呈した。

 姜報道官はさらに、「李大統領が直接答えるべきだ。大韓民国を、ご本人だけでなく政府と大統領室高位公職者の司法リスクの貯水池にするつもりなのか」と述べた上で、「金候補はこれ以上国民を愚弄せず、直ちに候補職を辞退すべきだ」と強く促した。

 同じく国民の力のキム・ドンウォン報道官も論評を発表し、「債権者から借りた金を、総理候補に指名された直後に返済するなど、不審な金銭取引疑惑が浮上している」と指摘。「関連報道が出てからわずか一日で慌てて返済したということは、本人自らが不透明な金銭取引であったことを認めたに等しいのではないか」と皮肉った。そして、「李在明政権の成功を願うのであれば、本人がどうすべきか熟考すべきだ」と付け加えた。

 キム・ギヒョン(金起炫)議員は自身のフェイスブックで、金候補が中国の清華大学の修士号を、出席せずに不法に取得したとされる疑惑について言及。「自身のアバターが中国にいない限り、到底不可能な清華大学修士号取得と釜山市長出馬を2010年に同時にやり遂げた。時間と空間を超越する超能力でも持っているのだろうか」と皮肉った。

 人事聴聞特別委員会野党幹事を務めるペ・ジュンヨン(裵俊英)議員はフェイスブックで、「聴聞委員から資料提出が適切に行われていないとの声を聞いている」とし、「通常の聴聞日程である2日間では不十分だろう。総理候補者が明らかにすべき内容があまりにも多い」と指摘した。
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