日本は韓国の頼もしい「友軍」であり、時には反省のない加害者の姿を見せ、「近くて遠い国」という日本に対する表現は依然として有効だ。
急変する国際情勢の中で発足した韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権は韓米日3カ国の協力を通じ地政学的な危機に対応する方針だが、いつ突出するか分からない歴史問題は懸念材料として残っている。
◇普遍的な価値共有 米中競争・北朝鮮の核問題などが協力後押し
韓国と日本は民主主義や市場経済、法治主義などの普遍的な価値を共有する。国交正常化以降、さまざまな危機を乗り越えながら両国が成し遂げてきた協力関係は地政学的な危機や歴史問題を巡る対立にも関わらず、アジア太平洋地域の民主主義陣営の中心的な軸として役割を果たしている。
最近は「新冷戦」と呼ばれるほど米国と中国の対立が激化し、ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮の核・ミサイル問題など北東アジア地域が複合的な挑戦に直面し、韓日両国の協力の必要性は一層高まっている。
韓日協力は経済や文化を超え、安全保障にも拡大する様相を呈している。2023年、米ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで開かれた韓米日首脳会談を機に強固になった3カ国協力は韓日関係の発展を後押ししている。第2次トランプ政権発足後、国際社会がブロック化する傾向を見せ、北東アジア地域で韓国と日本は有志国として歩調を合わせている。米中競争により世界の供給網(サプライチェーン)の再編が加速する中、半導体やバッテリー、人工知能(AI)などの先端産業も安全保障とかけ離れていないとされ、韓日は競争しながらも相互補完的な関係を築いている。
韓国外交通商部の次官を務めた申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使は先月に開かれた「済州フォーラム」で、「韓日の戦略的パートナーシップを真摯(しんし)に講じる時が来た」として、「北東アジアやインド太平洋地域の戦略的な不確実性、変動性を最小限に抑えるためには(韓日が)戦略的に協力するしかない」と強調した。
李大統領と石破茂首相は今月9日に行った初めての電話会談で、韓米日協力の枠組み内でさまざまな地政学的な危機に対応することで一致した。
◇前進と後退繰り返した両国関係 課題も山積
ただ、歴史問題は韓日関係の発展を妨げる課題として残っている。
慰安婦問題で旧日本軍の関与と強制性を認めた1993年の河野談話や植民支配と侵略戦争について謝罪した1995年の村山談話、これを継承した2005年の小泉談話など、日本も歴史問題で沈黙したわけではない。
だが、安倍政権が歴史修正主義的な傾向を見せ、主要政治家の妄言や太平洋戦争のA級戦犯らが合祀(ごうし)された靖国神社参拝、教科書や防衛白書、外交青書などでの歴史事実の歪曲(わいきょく)記述などが続き、歴史問題を巡る日本側の態度を疑問視する声が上がった。
歴代の韓国政権は日本との関係改善を進めたが、歴史問題が浮上すると関係が再び冷え込む事態が繰り返された。
韓国政府は対日関係で歴史問題と未来志向の協力を切り離して対応するという「ツートラック」の戦略を公言している。だが、2018年に韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた徴用訴訟の判決を受け、日本が半導体素材の輸出規制に乗り出し、両国関係が悪化の一途をたどったように、二つの問題を明確に分けて対応することが難しい場合が多くあった。朝鮮半島出身者が強制労働をさせられた新潟県の「佐渡島の金山」の労働者追悼式を巡る問題や2028年6月に期限を迎える大陸棚協定の延長問題など、課題も山積している。
南基正(ナム・ギジョン)ソウル大日本研究所教授は「真の相互信頼の基盤を構築するためには歴史問題を長期的な観点から解決していくことが重要だ」として、「石破内閣の場合、朝鮮半島問題や歴史問題について協力の余地を有しており、積極的な対日外交が必要だ」と提言した。
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