ロッテケミカルとHD現代が石化設備の統合を検討、中国の攻勢に対応＝韓国

化学大手のロッテケミカルとHD現代グループが、チュンチョンナムド（忠清南道）テサン（大山）地域において各社が保有する石油化学設備を統合する内容に関し、協議を進めている。両社は「まだ決定した事項はない」とコメントしているが、さまざまな可能性について話し合いが行われているもようだ。

背景にあるのが、ナフサ分解設備（NCC）の主要な輸出国だった中国が生産国となって発生した受注減の危機だ。

両社は大山に、HD現代の子会社で石油元売り大手のHD現代オイルバンクが持ち分の60％、またロッテケミカルが同40％を保有する化学関連の合弁会社HD現代ケミカルを運営している。HD現代ケミカルによるエチレンの年産能力は85万トンに及ぶ。両社が設備を統合すれば、HD現代オイルバンクがロッテケミカルの設備を引き受け、HD現代オイルバンクが現金などを支給する方式で進める方法が候補に挙がっている。

一方、韓国政府は2024年、石油化学分野の競争力を向上させる方針を発表。韓国の石油化学事業の再編を推し進めている。またイ・ジェミョン（李在明）大統領は石油化学特別法を制定すると明かしており、これと連動した支援策の制定に期待が寄せられている。