ソウル市によると、米国のグローバルスタートアップエコシステム評価機関「スタートアップ・ゲノム(Startup Genome)」が12日(パリ現地時間)に発表した「グローバルスタートアップエコシステムレポート2025」で、この結果が明らかになった。同レポートは、世界100か国300都市を対象に、過去2年半の実績に基づき、「知識蓄積」「資金調達」「エコシステム活動性」「市場参入」「創造的経験と人材育成」「AI中心転換」の6項目を評価し、スタートアップエコシステムの価値を順位付けしている。
ソウルは2022年に初めてグローバルスタートアップ都市のトップ10入りを果たしたが、韓国の投資市場が冷え込んだ2023年には12位まで順位を落とした。しかし、昨年は9位に盛り返し、今年は再び過去最高順位を更新したことで、スタートアップエコシステムの競争力強化を証明した形だ。特に、アジアを代表するスタートアップ都市とされるシンガポール(9位)や東京(11位)を上回る結果となった。
グローバルなスタートアップエコシステムランキングのトップ10は、1位が米シリコンバレー、2位が米ニューヨーク、3位が英ロンドン、4位がイスラエル・テルアビブ、共同5位が米ボストンと中国・北京、7位が米ロサンゼルスと続いている。
グローバルスタートアップエコシステムレポートの詳細を見ると、ソウルは全6評価項目中、「知識蓄積」(10点満点)、「資金調達」(10点満点)、「エコシステム活動性」(9点)、「市場参入」(9点)、「創造的経験と人材育成」(9点)の5項目で9点以上という高い評価を受けた。特に、「知識蓄積」項目では世界1位、「資金調達」項目では世界5位、アジア1位と、世界最高水準の競争力が認められた。ソウル市はこれについて、ソウル型R&D事業や独自のファンド組成を通じて、バイオ・AI・クリエイティブ産業などに積極的に投資した点が評価されたと分析している。
ソウル市は、ソウル型R&D事業を通じて2005年以来19年間で総額9,060億ウォン(約959億円)を投資し、4,018件の研究および技術開発を支援してきた。直近5年間で884件の成果を分析した結果、企業の累積売上高は6,396億ウォン(約677億円)を記録し、5,957の雇用を創出している。
また、ソウル市は2023年から「ソウルビジョン2030ファンド」を通じて今年5月までに2兆6,000億ウォン(約2,753億円)を組成しており、2026年までに総額5兆ウォン(約5,295億円)を造成し、有望企業に投資することで投資市場の活性化を図る計画だ。
ソウル市はこれまで、持続可能なスタートアップエコシステム活性化のため、バイオ医療・量子(洪陵)、AI(良才)、フィンテック(汝矣島)、ロボット(水西)、クリエイティブ産業(上岩)など、産業別にインフラを拡大してきた。「スタートアップ・ゲノム」は、こうした基盤の上に、オープンイノベーションやグローバル市場進出支援のためのオーダーメイド型支援など、革新的なスタートアップの成長を促進するための積極的な創業政策が、エコシステムの成長を促す要因になったと指摘している。
一方でソウル市は、各産業分野で技術競争力を持つスタートアップを積極的に支援するため、創業拠点を整備し運営している。
ソウル市経済室長のチュ・ヨンテ(朱容台)氏は、「2030年までにグローバルスタートアップ都市トップ5入りを目指し、ユニコーン企業を50社育成することを目標に、AI、バイオ、ロボット、量子、フィンテックなど革新技術を基盤としたスタートアップを重点的に育成していく」と表明した。
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