北朝鮮への宣伝放送中止も射撃訓練は「計画通り」＝韓国国防部

【ソウル聯合ニュース】韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は１２日の記者会見で、北朝鮮との軍事境界線付近で今月実施する予定の射撃訓練について、「現在、計画に変わりはない」と明らかにした。

　南北軍事境界線近くでの軍事訓練は２０１８年の南北軍事合意により停止したが、昨年に合意の効力が停止したこを受け再開された。チョン氏は訓練を中止するよう指示があったかどうかについて、「そのような指針はない」と答えた。

　今月には黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線（ＮＬＬ）付近で海兵隊による海上射撃訓練などが予定されている。

　韓国政府は今月１１日、李在明（イ・ジェミョン）大統領の指示で北朝鮮に向けた拡声器による宣伝放送を中止しており、軍事境界線付近での軍事訓練も緊張緩和のため中止する可能性がある。

　李大統領は就任する前の先月２日、南北軍事合意を復元し、韓国は北朝鮮へのビラ散布や宣伝放送、北朝鮮は韓国へのごみ風船散布や宣言放送を中止し、境界線付近地域の平和と安全を守るとの考えを表明した。

　韓国政府が南北軍事合意の復元を進める場合、宣伝放送を中止したように軍事境界線付近での射撃訓練の中止も検討する可能性があるとの見方もある。