追後指定されると裁判は開かれない。訴訟手続きの中断などにより法律上訴訟手続きを進めることができない場合や、関連事件の結論や鑑定結果を待つ必要があり、期日指定が事実上無意味な場合に追後指定とするケースが多い。
高裁は、憲法第84条に基づく措置だと説明した。84条は「大統領は内乱または外患の罪を犯した場合を除いては在職中に刑事上の訴追を受けない」と規定している。
ただ、「訴追」の概念に現在進行中の刑事裁判が含まれるかについては明確な規定がなく、解釈を巡って論争が続いていた。
ソウル高裁が期日変更の理由として憲法第84条を示したことを踏まえると、裁判所は大統領の不訴追特権に進行中の刑事裁判も含まれると判断したとみられる。
このため、李大統領の在任期間中には差し戻し審の裁判は行われない可能性が高い。
公選法違反を巡っては、一審で懲役1年、執行猶予2年が言い渡されたが、二審は無罪となった。だが大法院(最高裁)は「法理を誤解した」として二審判決を破棄し、ソウル高裁に審理を差し戻した。
今回の決定を受け、李大統領の他の事件を審理する裁判所も同様の決定を下すか注目される。
李大統領は現在計5件の裁判を抱えており、ソウル高裁では公選法違反のほかに自身が被告人の刑事裁判で関係者にうその証言をさせたとして偽証教唆の罪に問われた裁判の控訴審が進行中だ。ソウル中央地裁ではソウル郊外の都市開発事業に絡む不正事件と城南市長時代にオーナーを務めたサッカークラブ・城南FCに対し企業から不法に後援金を拠出させた事件の裁判が行われており、水原地裁では下着メーカー大手・サンバンウルグループが北朝鮮側に巨額資金を不正に渡した事件と京畿道知事時代に道が法人契約していたクレジットカードを私的に使用した事件の裁判が続いている。
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