2011年12月に脱北して韓国で暮らしていた男は昨年10月1日未明、北朝鮮に近い京畿道坡州市内の車庫に止まっていたコミュニティーバスを盗んで統一大橋に向かい、橋の南端から北に向かってバスを走らせたが、バリケードに衝突してその場で取り押さえられた。
男は脱北してから定職につかず、建設現場の日雇い労働をして生計を立てていたが、18年に足をけがしたことで生活が困窮。基礎生活保障(生活保護)を受けていた。
昨年9月には住んでいた簡易住宅施設から家賃未納を理由に退去を求められ、犯行を決心したという。
裁判所は判決で「被告が反国家団体としての北を賞賛したり同調したりするための政治的意図をもって犯行を犯したようにはみえない」としたうえで、韓国社会に定着した脱北者が置かれた現実を示すものであり、統一を準備する韓国社会が解決しなければならない問題だと指摘した。
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