韓国法務相が離任、権限の乱用に警鐘鳴らす
韓国法務相が離任、権限の乱用に警鐘鳴らす
韓国のパク・ソンジェ(朴性載)法務相は5日、政府果川庁舎で開かれた離任式で、「多数の意思という名目で協議や熟慮なく制度的権限を無節操に使うことは、民主主義に真っ向から反する」と述べ、権限の無制限な行使に警鐘を鳴らした。

 朴氏は、検察と警察の捜査権調整以降、捜査や裁判の遅延により国民が大きな不便を被っている現状を指摘し、「捜査機関間の事件のたらい回し、責任の所在不明確、手抜き・遅延捜査といった問題への対応策が緊急の課題だ」と強調した。

 さらに、「法は力ある多数が権力を行使する武器ではなく、多様な意見を持つ社会構成員を議論と説得、熟議の場に集める手段とならなければならない」との持論を展開。形式的な法適用による「法を利用した支配」ではなく、人権保障と社会正義を実現する真の法治主義の重要性を訴えた。

 朴氏は、新政権の政策基調による法務行政の変化を認めつつも、迅速かつ公正な検察権の行使、刑事司法システムの改善、少年犯罪や薬物犯罪への対応、過密収容の解消、滞在秩序の確立、移民社会統合など、時代的課題は揺るぎなく解決されるべきだとの認識を示した。

 朴氏は昨年2月、ユン・ソギョル(尹錫悦)政権の2代目法務相として就任。昨年12月の「12・3非常戒厳事態」に関連して国会で弾劾訴追され一時職務停止となったが、今年4月の憲法裁判所の棄却決定により復帰していた。

 前日、イ・ジェミョン(李在明)大統領が就任したことに伴い、朴氏を含むすべての閣僚が辞意を表明していたが、李大統領は朴氏の辞表のみを受理した。
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