◇多数与党に行政権力まで 問われる協力政治
李氏の勝利により、国会(定数300)で過半数を占める共に民主党は行政権力まで手にした。171議席を持つ共に民主党は革新系野党と手を組めば約190議席を確保でき、李氏は尹氏の拒否権行使で頓挫した立法課題を解決できる。
政府組織の改編も、首相や閣僚の国会人事聴聞会にも大きな問題なく臨める。
ただ、国民は与野党の対話の原則は守るよう求めている。李氏は野党代表時代、尹氏のコミュニケーション不足を強く批判した。
◇激化した保革対立 統合が課題に
大統領選は終わったが、保革対立は激化し、大きな後遺症を残した。
尹氏の弾劾を巡り、賛成する勢力と反対する勢力の対立が強まり、過激化する様相も呈した。弾劾賛成派は毎週、尹氏の弾劾を求める集会を開き、弾劾審判の判断が遅れると憲法裁判所を非難。弾劾反対派も集会を開催し、一部は地裁に乱入した。
李氏としては両極端に割れた陣営を統合しない限り、厳しい国政運営を強いられるとみられる。李氏は共に民主党を「中道保守」と位置付け、極右を除く健全な保守勢力は取り込む考えだ。
◇尹政権の国政課題は見直しへ 混乱の最小化も課題
政権交代は尹政権の政策基調に対する有権者の「拒否」ともいえる。大幅な政策変化が予想されるが、衝撃を最小限に抑える必要がある。
李氏が公言した司法と検察の改革は特にそうだ。李氏は検察の捜査権と起訴権の分離、大法官(最高裁判事)の増員を公約に掲げた。検察が政治に関与する弊害を防ぐためとしているが、検察つぶしに走る場合、支持を得ることは難しい。李氏は自身が絡む不正疑惑の裁判が大統領選後に延期され、司法リスクが完全に解消されていないことも負担になりそうだ。
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