金候補は同日夜の演説で、革新系最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)大統領候補が抱える司法リスクを念頭に置き、「自らが大統領になれば、すべての犯罪を無かったことにし、裁判を中止させようとする怪物独裁、防弾独裁を許容できるのか」と強く批判した。
また、金候補は李候補とその家族に提起されている道徳性問題にも言及。「5つの裁判を抱え、家族全員が法人カードを私的に利用し、子どももギャンブルやわいせつサイトで暴言を浴びせるような、そんな家族がわれわれの大統領になってはいけない」と述べた。
特に金候補は、自身の妻であるソル・ナンヨン(薛蘭寧)夫人、娘のドンジュ氏、娘婿、孫たちを紹介し、「私たち皆、大変な状況だが、健全な家庭を築くべきではないか」と訴えた。そして「私たちはこれ以上、あらゆるリスクを背負い、司法的な責任があり、あらゆる罵詈雑言(ばりぞうごん)やわいせつに陥った家庭を望んでいないはずだ」と問いかけた。
薛夫人を紹介する際には、李候補の妻、キム・ヘギョン(金恵景)氏の法人カード不正流用疑惑を念頭に「法人カードを不法に使用しなかった」と述べた。また、娘のドンジュ氏を紹介する際には、李候補の息子に提起されている違法賭博やオンラインコミュニティでのコメントを巡る騒動を指摘し、「不法でわいせつな悪口を浴びせることはない」と強調した。その上で、「幸福な私たちの家庭を築く大統領になる」と述べ、「私は正直な大統領になる」と宣言した。
金候補は経済政策にも言及し、「韓国経済のためにも、『黄色い封筒法』(労働組合のストライキに対する企業の損害賠償請求を制限する法案)のようなものは許されない」と主張した。同法が成立すれば、「韓国からすべての大企業が去り、外国企業も韓国への投資を行わなくなるだろう」と警告。「そうなれば韓国から雇用が失われる」と述べた。さらに、「皆さんが正しく投票すれば、韓国の国防・安保が強固になり、平和が維持され、この平和の下で経済が正常に機能する。そして、多くの企業が韓国に投資し、雇用が生まれ、その中で若者たちが希望を持って懸命に働けるようになる」と強調した。
金候補は演説後、ナ・ギョンウォン(羅卿瑗)、アン・チョルス(安哲秀)、ヤン・ヒャンジャ(梁香子)、ハン・ドンフン(韓東勲)各共同選挙対策委員長と共に舞台で深々と頭を下げ、感謝を示した。
ムン・ジェイン(文在寅)前政権で国務総理を務めたイ・ナギョン(李洛淵)新未来民主党常任顧問も、金候補の最終演説の舞台に上がり、支持を表明した。これに先立ち、金候補と共同政府樹立や第7共和国憲法改正などで合意していた李常任顧問は同日、「共に民主党は12件もの犯罪容疑を解決できなかった候補を擁立し、その犯罪容疑をすべて消し去ろうと法を改正し、司法府を破壊しようとしているため、私はこの場に来ざるを得なかった」と述べた。そして、「金文洙候補は信念に従って偽りなく生きてきた人物であり、権力を貪ることなく、庶民と同じ目線で職務を誠実に遂行してきた人物であるため、私はこの場に来たのだ」と、金候補への支持理由を説明した。
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