開会式では呉怜勲(オ・ヨンフン)済州道知事のあいさつを皮切りに、大統領権限を代行する李周浩(イ・ジュホ)社会副首相兼教育部長官が映像で基調演説を行い、アフリカ大陸自由貿易圏のメネ事務局長があいさつした。
潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長、国連のディカルロ政務・平和構築担当事務次長も映像でメッセージを寄せた。
各氏は国際社会が直面する危機を解決するための連帯と協力、革新の重要性を強調した。
李大統領権限代行は「力の論理を越え、規範に基づく国際秩序とガバナンスを強化し、相互協力的で包容的な経済環境を回復しなければならない」と述べ、炭素中立(カーボンニュートラル)実現のための国際連帯、デジタル格差の解消とサイバー安全保障協力、人工知能(AI)の倫理的活用のためのグローバル規範の確立に向けて努力しなければならないと強調した。
潘前事務総長は「協力がなければ革新の結果は人類全体の利益に寄与できない」とし、技術や経済、政治、文化などさまざまな分野で多国間主義に基づき国家間の協力を促進しなければならないと唱えた。
ディカルロ事務次長は「革新は包容的平和への懸け橋になるべきであり、障壁になってはならないという点を肝に銘じなければならない」とし、「平和を支援し対立を防ぐにあたり、革新の力を信じる」と述べた。
メネ事務局長は「世界のいかなる地域も単独でグローバルの課題を乗り越えることはできない。より多くの調整が必要であり、多国間主義を強化しなければならない」とし、「韓国とアフリカが追求するパートナーシップは非常に重要だ。(6月3日の大統領選で)新たに誕生する韓国大統領、政権と協力を続けたい」と力を込めた。
呉知事は、今年のフォーラムのテーマを「革新を通じた平和と共同繁栄」とした理由について「激動の時代であるほど国際社会はより多くのコミュニケーション、より深い連帯、より強い責任感が必要であり、革新に裏付けられてこそ堅固な安保も、持続可能な発展も、貧困・差別などの構造的暴力がない積極的な平和も実現できる」と説明。フォーラムが対立と不確実性を克服し、平和と包容、持続可能性へと進む連帯の場になることを願うと述べた。
また、今年の国連環境計画(UNEP)の世界環境デーの行事を済州が誘致し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会合も開催したとしながら「今後も済州は国際社会と共に人類共通の課題を解決し、持続可能な未来をつくるための歩みを止めない」と強調した。
開会式は日本の徳島少年少女合唱団と済州チェラジン子ども合唱団による合同公演で幕を閉じた。
30日まで開催される今回のフォーラムでは3日間で計53のセッションが行われ、約30の国・地域から約4000人が参加する予定だ。
済州フォーラムは済州道と国際平和財団、東アジア財団が主催、済州平和研究院が主管し、外交部と済州国際自由都市開発センターが後援する。
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