握手する金氏(左)と麻生氏=28日、ソウル(聯合ニュース)
握手する金氏(左)と麻生氏=28日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本の企業トップらが経済協力について意見交換する「韓日経済人会議」は28日、ソウルで2日間の日程を終え、閉幕した。共同声明が採択され、人工知能(AI)や半導体分野での協力拡大や、韓国の環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加盟推進などが盛り込まれた。

 共同声明には▼信頼の構築と発展▼経済連係拡大▼CPTPPの活用▼交流の拡大――の4部門の合意が盛り込まれた。

 共同声明で同会議は「韓日国交正常化60周年を機に両国の経済人は互いに築いてきた信頼と友情の価値を再確認し、韓日と世界の輝く未来のために革新的な連携・協力に務めていくことを決意した」と表明した。

 経済連携の拡大については、「韓日は東アジアの隣国であると同時に、自由と民主主義の理念を共有し、ビジネスにおいては競合と相互補完関係にある。さらにさまざまな共通の課題を抱えているため、韓日協力は必然的だ」と強調した。

 協力分野としては温室効果ガス排出量の削減や水素社会の実現、生成AIや半導体分野での連携、バイオ・ヘルスケア産業育成、サプライチェーン(供給網)の強化、エネルギー確保などが盛り込まれた。少子高齢化をはじめとする社会課題への対応でも協力することを確認した。

 参加者は米国の自国優先主義と米中のあつれきに対する危機意識を共有し、韓日協力が重要であるとの認識で一致した。

 韓国側団長を務める韓日経済協会の金ユン(キム・ユン)会長(三養ホールディングス会長)は共同声明発表後の記者会見で、「米新政権の通商圧力、中国の技術力の追い上げは韓国と日本の共通課題だ」とし、「米国の通商圧力に共同で対応してはどうかという意見も一部であるようだ」と述べた。

 ただ今回の会議では具体的な共同対応策は扱われなかったとし「産業別に緊密な情報交換をするものと承知している」と説明した。

 日本側団長を務める日韓経済協会の麻生泰副会長(麻生セメント会長)も、両国ともトランプ政権が発足してからアメリカファーストなどによって中国がさらに強力な行動に出る可能性があるという危機感を持っているとし、韓国と日本が競争関係にとどまるのではなく、確実な土台を作らなければならないとの考えを示した。

 また同会議は「韓日経済界の連携・協力実現のための環境整備として、先行して関連団体と協力し韓国のCPTPP加盟のための活動を実施すると表明した。

 2018年に発効したCPTPPはオーストラリア、カナダ、日本、英国、メキシコ、ベトナムなど12カ国が加盟する貿易協定。2019年時点で世界のGDP(国内総生産)の約15.2%の規模の経済圏という。

 金氏は「2国間のFTA(自由貿易協定)はさまざまな問題があり、妥結するのに時間がかかり複雑なため、まずCPTPPを進め、長期的には経済連合体を作るべきではないかという話があった」と伝えた。

 麻生氏もFTAはその次の段階で推進した方が良いという意見でまとまったと話した。

 一方、麻生氏は韓国の次期政権に伝えたいメッセージについて、両国関係を重視し、改革を推進してほしいとし、両国が力を合わせれば大きな影響力を出せるため、両国の連携を強化しようというメッセージを新政府が発信してほしいと述べた。


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