これに先立ち、ソウル市バス労働組合が所属する韓国労総全国自動車労組連盟は、27日までに賃金および団体協約の交渉合意案が出なければ、28日の始発から全国同時ストライキに突入すると予告していた。また、ソウル市のバス労使は先月29日の賃団協第2次調整会議が決裂して以来、実務協議は行ってきたが、意見の隔たりが大きく、本格的な交渉は再開できていない状況である。
労働組合は、27日午後1時に交渉を再開しようと、この日午前に使用者側(ソウル市バス運送事業組合)に公文書を送ったが、まだ日程は確定していない。
ソウル市関係者は「ことしは賃金交渉について、労使の立場の違いが大きく、ストが長期化する恐れがあるため、あらゆる可能性を視野に入れて少なくとも3日以上のストに備える計画だ」とし、「すでに4月、ソウル市はストに備え非常輸送対策を策定しており、ストが現実となった場合は、利用可能なすべての交通手段を動員して市民の不便を最小限に抑える計画だ」と説明した。
まず、地下鉄は通勤時間帯の混雑緩和および公共交通の不便解消のため、1日計173便を増便運行する。通勤の主要混雑時間帯を現行より1時間延長し、列車投入を増やし、地下鉄の終電も翌日午前2時まで延長して深夜の移動も支援する。
また、ソウル市内25の自治区では、主要拠点および住宅地から地下鉄駅まで迅速にアクセスできるよう、無料シャトルバスを運行する。全117路線、625台の運行を予定しており、シャトルバスの路線情報はソウル市および各自治区のホームページで確認できる。
リアルタイムの交通情報は、市のホームページやSNSアカウント、道路の電光掲示板、各バス停のバス情報案内端末機などを通じて提供される。
また、昨年の市内バスのストライキの際、一部運転手がスト終結前に業務に復帰し、臨時路線を運行した事例があることから、ことしも運転手の復帰状況を見ながら臨時路線を運行する予定である。
これとあわせて市は、各車庫に職員を派遣し、労働組合が違法な方法で業務を妨害する場合には警察と連携して迅速に対応する方針だ。
昨年は、スト中の車庫出入口に車両を無断駐車してバス運行を妨害する行為、バスの鍵を受け取った後に勤務場所から離脱・行方をくらます行為、運行しようとするバスの下に潜り込んで運行を妨害する行為などの違法行為が報告された。
このような行為は、刑法上の業務妨害に該当するか、争議行為の基本原則を定めた労働組合法に違反するものであり、現行法に基づいて措置および処罰が可能であると市は強調した。
さらに、今回のストは例年とは異なり、全国規模での同時ストが予告されており、インチョン(仁川)・キョンギ(京畿)地域のバスもストに参加する場合、首都圏全体でバス運行が全面的に停止される恐れがある。
これに伴い、市は市内の小・中・高校および公共機関などに対して、スト期間中の登校および出勤時間を1時間調整するよう要請した。
ソウル市のヨ・ジャングォン交通室長は「ソウル市は違法な業務妨害行為に厳正に対処するとともに、市民の不便を最小限に抑えるため、非常輸送対策を滞りなく推進する」とし、「しかし全面ストライキ時には通勤時間帯に深刻な混乱が予想されるため、市民の皆様にもテレワークなどを積極的にご活用いただきたい」と呼びかけた。
また「ストライキが予告された期限までにはまだ時間が残されているため、労使が市民が納得できる合理的な水準で円満に賃金交渉を終えられるよう、理解と譲歩を要請したい」とも述べた。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 78