ソウル中央地検(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウル中央地検(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地検は26日、北朝鮮のハッカーに接触して制作した賭博サイトを国内に流通させたとして、国家保安法違反や賭博空間開設などの罪で50代の男を起訴したと発表した。男が得た利益の一部は北朝鮮に渡されたと推定される。

 検察によると、男は2022~24年に中国で北朝鮮軍需工業部傘下の313総局や偵察総局第5局所属のハッカーと接触し、16の違法な賭博サイト(ドメインは71個)をつくり、国内の賭博サイトの運営者に販売した罪に問われている。

 男は賭博サイトの制作依頼や不具合の点検などのため、23年10~11月に北朝鮮のハッカーと通信アプリ「テレグラム」などを通じて1181回のやり取りを行ったという。

 313総局は北朝鮮の情報技術(IT)戦略を統括する組織で、中国・丹東などに拠点を設立し違法なプログラムの制作依頼を受けて外貨を稼ぎ、有事の際は韓国とのサイバー戦の工作拠点の役割を担う。

 検察によると、男は偵察総局第5局が海外に派遣した同局所属のハッカーから違法な賭博サイトの総合コンサルティングのための広告プログラムを受け取った。

 賭博サイトを国内で販売し、21年から約3年5カ月間、販売費や管理費などの名目で計約235億5000万ウォン(約24億5000万円)の違法な利益を得た。このうち約30%の70億ウォン以上が北朝鮮のハッカーに送られ、大半が北朝鮮政権に上納され統治資金などに使われたと推定されるという。

 検察は中国やベトナムなどに滞在している男の共犯3人についても捜査を進めている。

 男は12年にも北朝鮮のハッカーが開発したゲーム関連プログラムを国内に流布した罪で処罰された前歴がある。

 検察は「個人的な利益のため国民の安全や自由民主的な基本秩序を脅かし、北のサイバーテロの危険を高める犯罪者に厳しく対応する」と明らかにした。


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